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悪令嬢とやらに転生してしまった!!  作者: アップルティー
第一章
4/41

…とりあえず、体調の確認はとれたことだし!早速朝食を頂きますか。…安心したとたんにお腹が…

机の上に並べられていたのは、一口サイズの、中にはジャムや、レタスやトマトといった、様々な種類のサンドイッチだった。


「いただきます」と手を合わせてから、そっと口に運んだ。


やっぱり食べる時間は至福だ…サンドイッチの味が口の中に広がる。本当朝ご飯おいしい。

夢中になって食べていると、ふと、誰かに見られていることに気付く。視線をあげると、ルーシーのお父様とお母様がこっちをじっと見られております。

…んー、やっぱりキラキラオーラ半端ないですね。


「美味しい?ルーちゃん」


「はい!おいしいです!」


「ふふ、可愛いものだな。…尚更嫁には行かせたくないが…」


「もう、あなたったら…」



?嫁?あ、もしかしたら婚約者のことかな。この世界では婚約をすることは当たり前みたいだし…そういや、乙女ゲームでルーシーの婚約者も攻略対象者だったよね。んーと、名前…長くて覚えてないや。食べ終わってからまた考えよう。


そう思った私は、もう一口サンドイッチを口に運んだ。

やっぱりおいしい。







ふう!お腹いっぱい。


「ごちそーさまでした!」


「フフ、沢山食べたわね?」


「はい!とてもおいしかったです!」


「それは良かったなあ」


おお、お父様に頭をワシャワシャされた。やはり父親だからこそなのか、安心する大きな手に包まれ、私は嬉しい気持ちになった。

…温かい、お父様の手。


ヒュッ


そう思った瞬間、突然私の頭の中に誰かの声が聞こえてきた。



『パパの手、温かいね!』



!今の…声?誰の声だろ…いや、まって、今の声…懐かしい…ような…。


「…!…!」


?また声が…何?なんて言ってるの?

私が耳を傾けて集中しようとした瞬間、また現実に引き戻されるような声がした。


「…おーい!ルー!」


「…!」


「どうしたんだ?急に固まって…」


お父様が私の事を心配そうに覗き込んでいる。

…もしかしてあの声は私にだけ聞こえて…?…なんだか、怖い。



「ルー?」


「あ!お、お父様、すみません。私ご飯でお腹いっぱいになったので眠たくなってしまって…」


「ああ、そうだったのか。分かった、部屋でゆっくり休むするといいよ」


「はい、ありがとうございます」



そうして、私はリビングを後にした。







う~ん、やっぱり何だったんだ?さっきの声……頭の中に響いたあの声、あれはいったい…?心霊現象か?ルーシーってそういう聞いちゃう体質なのか?いや、疲れたなのか幻聴なのかも…

……あーー!!ぐちゃぐちゃ考えても仕方ない!

うん。とりあえず今の状況の事を整理しよう。



「ここはファンタジー乙女ゲームの世界」


『あら?そうなの。』


「そうなの。そして私は今、その乙女ゲームの悪令嬢のルーシー・リアフィリアになっている。」


『まぁ、私って悪令嬢なのね、酷い言い草。まぁ貴方からしたら転生したって事なのね』


「うん、そうなる……ってあれ?」


今気づいたけど、私誰かと会話してる?私はキョロキョロと部屋を見渡す…誰もいないよね?…え?まさか本当に幽霊とかいるの???

って思ったら…私の後ろから気配を感じた。

ダラダラと恐怖で冷や汗が出てきた。思い切ってバッと勢いよく振り返るとそこにいたのは…


「ギャーーーーーーっ!!!って、猫…?」


黄金でキラキラ光る目、汚れ一つない真っ白な毛並みの猫…ペルシャかな?


『あら、猫を見て驚く()なんて初めて見たわ。貴方、猫が苦手?』


「いや、違うけど…、もしかして猫の幽霊?」


『あぁ、そっちに考えてたからなのね…、違うわよ。』


そう白猫が言うと、静かに私に近づいてきた。おそるおそる頭に手をのせる。…ほっ、幽霊じゃない。


「んじゃ、化け猫ですか?」


『化け猫って…一応魔獣という部類なのだけれど。』


「まじゅう…?魔獣って言葉を話せるんですか?」


『まぁ、ね。』


「へーすごい、それで、貴方は誰なんですか?」



自然に相手を責めてみる。すると、彼女はスラッと聞いてみた。さらッと応えてくれた。

『私?私は今は魔獣だけど前は…ルーシー・リアフィリアよ。』




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