過去へと
…何なのだろうか。だんだんと震えが止まらなくなってきた。扉の向こうから、何も音は聞こえない。だけど私は、この場から早く離れたいという気持ちでいっぱいだった。
「!大丈夫ですか?」
メイドさんが警戒しながら、私に気を使って、声をかけてくれた。
「…はい。」
「…ご安心を。あなた様の命は、私がお守り致しますから。」
そう言われ、私は、涙が出ているのに気づく。心が、締め付けられるような…悲しいような…?何故、泣いているのか。
それと同時に
懐かしいような感じが。
バンッッッッ
扉が大きな音をたてて開いた。
「っ、想定外ですね。こんなに早く来るとは思っていませんでしたよ。…ユーマ様。」
「おーやぉや、いやー、驚かせるつもりが俺が驚かされちゃったよーwまさか、短剣が飛んでくるなんて…相変わらず隙がないねー」
私は恐る恐る目を開けた。誰だろう…フヨフヨ浮いてるのは気になるけど、でも違う。私の恐怖は、この人から来ていない。
「…もう、足止めはギブアップですか。」
「あぁ。ごめんねー、俺が止められるのは、ここまで…後は二人にまか…せ…」
…私にはスローに見えた。ユーマさんが倒れる瞬間。後ろに立っていた彼女を見て。
「ねえ、もう思い出した?」
夢だって。そう思ってた。彼女の姿は、昔の私だった。
「!!目を合わせてはいけません!」
私の目が赤く光ったと思うと、目の前がまた真っ暗になった。
*****
…ここって。
目を開けると、私は病院にいた。しかし何故か…天井の角に。
「!?え、私、透けてる!?」
自分の手を見ると、幽霊みたいに半透明になっていた。えぇぇ…と思っていると、懐かしい臭いがした。
…あぁ、思い出した。ここは…、
私が、生まれた病院だ。
次回から、主人公の過去編へと突入していきます!(^w^)
(今回本文短かかった…(/ー ̄;))
次回、多めに文かきます!(ノ´∀`*)




