ランベル視点~後編?~
「おー、こりゃ。ルーシー嬢ちゃん…いや、今はランベルちゃんだったかな?久しぶり~」
「お久しぶりね、ユーマ。…いつも寝ている貴方が、寝不足なんて珍しいわね」
私達の目の前で、フワフワ浮いているのは、夢魔のユーマ。
夢魔というのは、夢を操れる魔物の事。彼は、異世界中…つまり、全ての夢を管理している夢魔である。
「まー、管理って言っても、夢を見てるだけだから暇なんだけどね。俺以外にも、夢魔は数えきれないほどいる。…それで、そちらの坊っちゃんは?」
「俺は魔獣のクロルスだ。」
「ふーん、僕は夢魔のユーマだよ。宜しくね。」
「…二人の自己紹介が終わった所で…早速だけど、ルーシーの夢について聞きにきたの。…彼女に前世の夢を見せたのは、貴方?」
しばらく沈黙が流れてから、ユーマは口を開いた。
「ふぅ、聞きにきた訳はそれか…さすが、ルー…ランベルちゃん。情報収集が早いね?」
「…今のルーシーからさっき聞いただけよ。それで、どうなの?」
「僕じゃないよ。むしろその夢を見せた犯人と闘ってたんだ。だからほら、寝不足だろ?」
ユーマは自分の目の下の隈を指差す。
「!……その犯人って誰なの?」
「…………彼女の、前世の、闇。」
「!?え?」
クロルスは動揺しながら、ユーマに問いかけた。
「おい、ちょっと待て。…と言うことは、ルーシーは前世、悪い事をしていたのか?」
「違うよ。闇は、悪い事をしたから出来る魔力じゃないんだ…苦しみ、悲しみ、憎しみ…そういうのでも、魔力は作られていく。」
「ルーシーの前世には、何があったの…?」
「…ここからは教えられないな。教えられる範囲を簡単にいうと、彼女の前世の闇が強く、魂と闇が引き離された為に、闇が意識を持った…って事。」
「でも、何で前世を思い出しては駄目なんだ?むしろ好都合じゃないのか?」
「ーー前世と今の記憶、最初から前世の記憶を持っているのなら、大丈夫だけどね。途中から記憶を思い出すと、彼女の身体は、消えて無くなる。」
私達は驚きで目を見開く。
ルーシーが…きえ…る?
嫌だという気持ちが、強くなっていく。けれど、今考えても、解決案にはたどり着けない。…私が、ルーシーを守らなければ。
「あー後、一つだけ。君達の武器、出してくれないかな?」
ユーマの言葉に、私達は戸惑いながらも、私は『ナイオルソード』クロルスは『ロードナール』を、ユーマの前に出す。
すると、ユーマは二つの武器に手をかざした。
「はいっ!これでオッケー。」
「…?何をしたの?」
「ん~ちょっとね?夢の被害に遭わないように、魔除け?的なの流し込んどいた。これでこの屋敷は夢の被害に遭わずにすむよ。」
ケラケラとユーマは笑う。
「これが俺をこの屋敷に住まわせて貰ってるお礼ね。」
「…これでしばらくは大丈夫なのか?」
「まぁね。…後は君達次第だよ。護衛なんだろ?…今のルーシー嬢ちゃんを、守ってやって。ま、…会ったこと無いけど☆」
私達は苦笑いをした。
こういう所、相変わらずね…。
ファンタジー系になってきてますね…汗(;゜∀゜)




