…夢?現実?
フワフワ フワフワ
私はどこかに浮いている
ボヤボヤ~っと見えてくる二つの影。
「何て……可愛い私の娘!」
私にとっては知らない声。
けど、すごく、懐かしく感じて。
「ゥッゥッ……よかった!……」
「何泣いてるのよ!…抱いてあげて。貴方の子よ」
「お、おぅ!…よしよし、可愛いなぁ!」
「ね、名前何にしましょうか?」
「んー、あ!最初考え付いた名前にしよう!……!これで決まり!うん!いい名前だ!響きも良いしな!……ほーら、…、お父さんだよ!」
……お父さん?私の?
「ちょっと、まだ私挨拶してないのよ?…!私がお母さんでちゅよ~」
一つの影にギューっと抱き締められる。
その上に、もう一つの影も抱き締めてくる。
「今日から君は家族だ!……、これからよろしく!」
抱き締めてくれた影のその温もりが、温かくて、何だかくすぐったくて。
私は安心して眠りに着いた。
****
「ルーー…!起きて…下さい!……様が、いらっ…よ!」
声が聞こえるーー?
ーーお母さん?
「!……様、すみませ……まだ、寝ぼけて……みたいで、……私、…をとりに行って…ここで…待っていて貰って…も?」
「あぁ、構わない…。じゃあ私が起こしておきますね」
「本当に…みま…ん!」
あれ?お父さん…?
影が、私を除きこんでくる。
「……、起きて下さ…、もう昼…すよ」
…優しい声が聞こえる…
さっきの温かさが欲しい……
私はその影を抱き締める。
「!?」
影は若干震えている。けど、恐る恐る手を背中に回してくれる。
背中を支えてくれている手から、感じる温もりが安心してーー
「お父さ……大好き」
「!!!!!」
そのまま更にギューっと抱き締める。
……ん?
視界がだんだんとクリアになってきた。
あり?黒…髪
「っ、る、ルー……シー?」
この声はマサカ…
「す、すみません!!!ヴォルフ様ーー!」
慌ててズササッと後ろに下がる。
「あ、あのですね、懐かしい夢を見まして、それでお父さ…まとヴォルフ様を間違えて抱きしめてしまってんです!本当にすみません!!」
頭を必死に下げる。だって、ヴォルフ様体震えてるんですよ!?顔も真っ赤にして…!凄い怒ってる証拠だよ!どうしよう、一応言い訳?いや、本当の事を言ったけど許してくれるかどうかは…!…あれ、でもなんでヴォルフ様が私の部屋に?
「失礼します。ルーシー様、お目覚めになりましたか?何度も呼び掛けても起きないんですから!今日、リアフィリア様家でパーティーを開きますので、その時にアドラス様がルーシー様の部屋に伺うと、昨夜知らせたはずで…あら?」
ア…アン!この状況ヘルプミー!




