ランベル視点(過去) 後編
あれから一週間が経ち・・・
私はだんだんと表情を無くしていった。
最初、お父様とお母様に心配されたが、だんだんとそれがなくなり、
私の表情が無いのが当たり前になっていった。
~夜~
寝る準備を済ませた私は、ふと、自分の足を見る。
・・・何でだろう?
足が震えている。そう、私は、心底怖かったんだ。
また、繰り返すんじゃないか・・・
あの時を
また誰かを傷つけてしまったら・・・
そう思い、気付けば私は、人の顔色を伺うようになっていた。
そして、考えたのが、無表情になること。
これだったら誰も傷つかない。
だけど・・・
これが駄目なのは分かってるの・・・
分かっているけど・・・
・・・あー、もうこの事を考えるのはもうやめよう。
私は一つため息をつき、毛布の中に潜り込んだ。
朝、目を開けると、そこは真っ暗だった。
『!?ここは、痛っ!』
?ベッドの・・・下?
私は目線を下に向けると、信じられないことに、白いふわふわの毛が生えているではないか!
しかも人間の手じゃない。
・・・どうやら私は二度目の転生をしてしまったようだ。
ちょっと這いつくばって、外に出てみた。
ベッドの私は、まだ寝ている。
よし、ちょっと試してみたい事があるから・・
私は鏡の前に立った。
うん、猫だ。猫だけど、もう一つの可能性があるから・・・
私は人間の姿を想像してみた。
ポンっ
音が聞こえ、目をつぶっていた私は、恐る恐る目を開ける。
・・・!
鏡を見ると、私は、ネコミミとしっぽが生えている女の子に変身していた。
・・・やっぱり、私は魔獣・・・
・・・とりあえず、ベッドの下に、猫の方になって隠れていよう。
「ん~・・・」
そろそろ、別の私が目覚めそうだから・・・
と、こんな感じで、私は魔獣になったのでした。
さて、今は王子との対面をしているルーシーをクロルスと見ようとしています。
(小声で喋っています)
「・・・おい、何で俺がこんな事しなければならないんだ?」
「良いから、黙ってついて来なさい」
「ー・・・」
私達は、アポロ様と王様が、別の部屋に入るのを見届けてから、コソコソと二人がいる部屋を覗いた。
最初に隙間から見えたのは、ヴォルフ様だった。
!驚いた・・・!
あんなに楽しそうな顔は、初めて見た・・・
私が見たのは、ただの愛想笑いだけしているヴォルフ様だけだったから・・・
まあ、その笑顔に、私は惚れたのだけれどね。
そんなことよりも、
「ルーシーは・・・」
あ、見えた・・・
!
「・・・やっぱり、変わってきてるのかもしれないわね・・・」
私はポツリと呟いた
「?何の事だ?」
「いいえ、何も。」
昔の私は真っ赤なドレスを着ていた、けれど彼女は水色のドレスを着ていたのだ。
ーールーシーの物語が変わってきているーー
・・・これから、どんな風になるのか
私には予想がつかないわ・・・だけど、彼女は私と同じ人生を歩んでほしくない。
分からない未来に不安を感じながら、私は彼女を守る事を心の中で誓った。




