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二度目の世界で本当の自分に  作者: 夢辺 流離
59/60

私なりのハッピーエンディング

 祖父は“向こう(リアル)“で病院や介護センターの職員相手に指導を始め、割と好評らしい。感覚・直感的なお祖父ちゃんは説明下手で困らせているが、付き添いの母がその辺を補っているのだそうだ。


 母は後継者としてみられていなかったが、お祖父ちゃんにもしもの時は自分がと見取り稽古をしていたらしく、土台はできていたんだと。


「ワシは随分盲目だったらしい」


 とお祖父ちゃんが言うくらい飲み込みがよかったらしい。運体についてだけは父にも教えて3人で公開指導をしているんだそうだ。

何故私が行かず3人体制かと言えば、お祖父ちゃんが孫馬鹿な自慢話をしまくってハードルを上げまくったからだ。自身の問題を抜きにしても出たくない。


 元々はそれほど乗り気ではなかった。代々一子相伝だったものを部分的にとは言え他者に伝えることに葛藤があったのかもしれない。


 決闘の後、いろいろな話をした際にアンジェのことを聞かされた。祖父の殺線に割り込んだと聞いた時は心臓が止まるかと思った。あれは毒のようなもので、免疫のないものが晒されれば意識を失うだけで済めばいいほうなのだ。お祖父ちゃんは真剣な表情で、


「友達を100人も作らなくてもよい。ただし自分のために見を呈してくれたあの子は大事にしなさい」


 と言った。私の中にストンとハマった言葉だ。


そして自身の親友である源さんに久しぶりに会いにいったところ、源さんが介護施設に入っていることを知り愕然としたらしい。祖父は長年の鍛練により鍛えられており、今でも壮健だ。そしてそれが当たり前だと思っていたのだという。


 それからもう歳なんだと諦め気味な源さんを、必死に説得し時間をかけて身体を動かせるようにもっていったらしい。それが起点となって様々なところから呼ばれるようになっていったそうだ。今では源さんや介護センターの活動で知り合った人たちと囲碁をしたりと活動的だ。

それにその内の一人に懸想しているらしい。お祖母ちゃん、少しくらい許してあげてください。


 ちなみにときどきは“こちら(トゥルー)“に来て私に勝負を持ちかけてくる。仕方がないのでギルドの訓練場を借りて冒険者たちへの参考試合とさせてもらってる。ギルドが冒険者たちの生存率をあげるための講習をしているのに協力している。……役にたっているかはわからないけれど。心が折れてしまう人も出ているらしいが、他の道を選んだ方がいいこともあるよね?



 そして私はというと、町の外れに一軒家を得た。なんだかんだでお金は貯まっていたのだ。いつでも入れるお風呂というキーワードにやられたのと、あまり大きい声では言えない理由もある。ちなみにお風呂の、生活のために水魔法も取得して、教わった魔法使いの人は呆れた顔をしていたっけ。でも便利です。




 

 指をチマチマと動かしながら、


「あの、えーと、その」


 目の前のアンジェも困った顔をしています。


「わ、私とお付き合いしてくださいっ」


 言った!言えたと達成感を感じるより不安でドキドキだった。


「うん、いいよ。何を買いに行くの?」


「えっと、そうじゃなくてその男と女のお付き合いというか」


「ふぁぁあ?ででで、でも私たちお、女同士だし!」


 正直私自身、これが男として生きてきた経験によるものなのか、いわゆる百合、ーーーキマシでしたかーーーなのかわからない。だけどアンジェのことが好きーーー友達じゃ足りない!ーーーらしいと思ったのだ。


 顔を真っ赤にしてパクパクと口を動かすアンジェ。

どうも“こっちの世界トゥルー“でも同性のお付き合いは一般的でないというか表だって言えないらしい。ただ、身分が高い女性には身持ちの堅さが求められるためそういう道に手を伸ばすこともあるらしいが、やはり褒められたものではないとのこと。






「つまり、高い身分になればひとまずオッケーってことだね」


「ふぁ!?どうしてそうなるの!?」


「え?だってそうするしか方法がないんでしょう?」


 アンジェがひどく取り乱して私の手を掴む。


「分かった、分かったから。お願い落ち着いて。もう、リデルったらときどきとんでもない方向に突っ走っちゃうんだから。私が見ててあげないとダメね」


 そっぽを向きながらそう言いました。頬は赤くって。


「それって……」


 私はアンジェに飛び掛かりました。

いつもとは立場が逆で、当然アンジェは耐えられず倒れ込み、そこにはソファーがあり私たちを優しく支えてくれます。狙い通り!


「え?あ、ちょっ待って!!リデ……んん!」


 ガノフさんにはなんて言えばとか“向こう(リアル)“をどうしようとか問題はいろいろあります。でも私はやりたいように精一杯生きようと思います。

 これにて本編はおしまいです。

自分らしく生きようと思えるようになった奏もといリデル。


「なんかリデルちゃん綺麗になったよな?」


 とか言われ始めるようです。


「いや、俺はアンジェリカちゃんの方が」


「なんだ?お前絶壁だぞ?」


「いや、そうじゃない性格がだな……」


「でも最近育ってきてるよな?」


「「「 なん…だ…と?そのへん詳しく話してみ、な? 」」」


「いや、だからさ」


「何を話してるのかなぁ~?」


「「「え?ぎゃああ」」」


 そんなことがいずこの食堂で起こるかも!


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