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二度目の世界で本当の自分に  作者: 夢辺 流離
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"私"のなりたい私

 頬を両手で叩く。


 私は生まれ変わるためにこの世界にきたのだ。

いつまでもウジウジしていたんじゃ、向こうにいた頃と変わらないじゃないか。

頬の熱と痺れ、全身の微かな震えを感じながらも目には強い光を宿らせた。



 私は以前食事に出た際に購入した手帳を取り出した。

これは他の"渡来人"が紙作りをこちらに持ち込んだ産物らしい。

行動の早さにビックリだ。

でも向こうの世界のモノをこちらで売り込むというのはいいアイディアだ。しかも早ければ早いほど、他の"渡来人"との関係上有利なのは間違いないだろう。


目標は…誰よりも女性らしい女性になる…って"男らしい"とか"女らしい"なんていうお仕着せが好ましくないのは"私"が良く知っているじゃないか。

 例えばよく見た、同級生の女子のドロドロとした感情のやりとり、あれもある意味で"女らしい"と言えなくもないと思うけど、私はもっとサバサバと生きたい。

所謂"派閥"とかいうグループ間での抗争?みたいのも自分から加わりたいと思えないし。

本当に仲のいい、友達が2,3人もできたら、いいかな。


 う~ん、これってつまり、私の女性像ってことだよね?

そんなことをつらつらと手帳に箇条書きにしていく。


 チラリと目線を下げてから、胸のサイズとかはランダムだったのか、

然程大きくない、と思う。

それでもやはり”ある”という違和感は大きい。

身体のバランスが以前と違った。

3日もそれで生活していれば流石に慣れてきたものだ。

肩こりがひどいとか聞いたし、あまり大きくありたいとは思えないのだけれど、やはり女性らしさを強調する部分だと思えば…。ふにふに。

まぁ狙って大きく出来るものでもなし、保留ということで。

でも型崩れとかしないようにブ・ブラジャーのこととか相談できる人とか早急に見つけたい。


 運動神経が抜群!である必要性はないけど、やっぱり日々運動は必要だよね!自転車とか誰か造ってたりしないだろうか。


 料理は女性に押しつける役割じゃないにせよ出来るほうが魅力的だよね。"私"は料理なんて調理実習とか以外じゃしたことがないのだ。

これは課題だね。


 そんなことをつらつらと書き連ねて一日を過ごした。


エイセスセニスに訪れたいわゆる"渡来人"のなかで、"スキル"やレベル上げのことを一切考えない数少ない例外のリデルだった。

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