1
初投稿です。
よろしくお願いいたします。
昔々周囲を列強に囲まれた小さな国がありました。
国王様は、いつも相手の顔色を伺い
なけなしの貢ぎ物を言われるまま
差し出していたので、国民はいつも
生きていくのにギリギリの生活を
していました。
国王様は、自分の不甲斐なさを嘆き
それでも国民の為に、列強の国々に頭を下げ続け
なんとか国を維持していました。
王妃様は、そんな王様を優しく支え
いつも
「きっといつか良くなるわ。」と
王様を慰めるのでした。
二人の間には、美しい王女様がいました。
流れるような金の髪に、真昼の青空のような
スカイブルーの瞳は王妃様譲りの
明るく朗らかな王女様でした。
王女様が初めて公式の場に現れたのは
14歳の時でした。
王女様の輝かんばかりの美しさに、
列強の国々からは
婚姻の申し込みが殺到しました。
王様は悩みました。
どちらの国を選んでも、
選ばれなかった国からは、それを口実に
攻め込まれてしまうと、忠臣達から進言されて
いたからです。
王様は悩みました。
王女様は可愛い一人娘です。
2年前に儚くなった、王妃様の
忘れ形見でもあります。
一人の父親としては
娘に幸せになって欲しい気持ちが、
国王としては
王家に産まれた者の義務としての
政略結婚を是とするか。
同じ政略結婚であれば、
一番強い国に嫁がせれば
他の国に攻め込まれても、守ってくれるでしょう。
ある夜、国王様は
王女様の部屋を訪れました。
突然の国王様の訪れに
就寝前だった王女様は驚きましたが
いつになく思い詰めた国王様のお顔を見て
黙ってお部屋に通しました。
「嫁ぎ先が決まった。」
王女様は、ニッコリ笑いました。
僅かに震える父親の手を両手で包み込み、
「かしこまりました。あとは、お父様の思うようにお願い致します。」
かくして、王女様のお腰入れが決まりました。