表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アサシンズ ロア  作者: ぽんこっつ
帝国編
41/52

次への旅立ち

お読み頂きありがとうございます

今回は、古城編の分配回になります

 古城から、首都に戻ってきた俺達を迎えてくれたのは

興奮した様子の後輩君だった


「凄いっすよ!あのボス凄い奴だったんすね!首都は今、その話題でもちきりっす!」


身振り手振りを交えながら後輩君が熱心に話す


「後輩君も今回のメンバーの一人なんだよー」


笑いかけると、後輩君は、少し俯いて


「でも、俺最後、すぐ倒れちゃったし、何の役にも立てて無いっす…」


同じ討伐に参加した仲間なんだよと、伝えるつもりが言葉が足りなくて、

落ち込ましてしまった、そんな様子をみて、みどりさんがため息をつきながら


「はぁ…変人っ!ちょっとは気を使いなさいっ!後輩君はね、最後のボスの範囲の時に、咄嗟に私と黒子ちゃんの前に立って、庇おうとしてくれたのよっ!」


ガーネットさんも頷いて、ぺこりと後輩君に頭を下げる

それを見て後輩君は苦笑いをしながら


「俺の方がレベルが低いんで意味なかったんすけどね…なんか危ないって思ったら咄嗟に立っちゃってたっす…」


「うむ!その心意気よし!後輩殿も今回の討伐仲間である!」


「そうですよ、後輩さんはちゃんと道中も役割を果たしてましたよ」


【伽藍】さんは、そういいながら後輩君の肩を叩き

王子様は、後輩君に握手を求めていた


「そうだよ!カバーもしてくれてたし、助かってたよ!」


俺も、もう一度、後輩君に笑顔を向ける


「少しでも、役に立てたなら嬉しいっす!」


後輩君にも、少し笑顔が浮かんだ


「うむ!ではギルドで、ドロップ品を鑑定して貰って来るのである!」


「では、その後で宿屋で分配しましょう、後輩さんも来てくださいね」


【伽藍】さんはギルドに向かい、王子様の提案で俺らは宿屋で待機する事にした


「えっ?!俺もっすか?」


驚き戸惑う後輩君に、みどりさんが


「当然よっ!後輩君はちゃんとしてくれたんだからっ!いくわよっ!」


そう言って、戸惑う後輩君を引っ張っていく


【黄金の羊亭】では、メイドさんが満面の笑顔で迎えてくれる

軽い食事と飲み物を頼んで、【伽藍】さんを待つ


「私と黒子ちゃんはいつものセットをお願いっ!」


いつものセットって何だ…

そう疑問に思った俺だが、次々運んでこられる皿達を呆れながら思う

これ、セットじゃなくてフルコースというレベル…

二人の前のは十の皿が並び、さらにデザートが付くらしい…

しばらくすると【伽藍】さんが戻ってきた

【伽藍】さんもメイドさんに軽い食事を頼んで席に着く


「うむ!みどり殿達は相変わらず豪勢であるな!鑑定の結果は素材アイテムが二つ、片手剣、変則武器、がそれぞれ一つ、あとはスキルスクロールが人数分であった」


テーブルにそれぞれ並べられていく

片手剣はブロードソード程の長さで、特に目立つ意匠はない

素材アイテムとおぼしき物は黒い握りこぶし程の水晶と

熊の毛皮が一つ、あの嫌な色ではなく見事な毛並みの物になっていた


スクロールは各自に渡して、最後に残った謎の物体をみる

熊の手に当たる部分なのだが、手袋の様になっていて

中に手を入れる様なのだが、ぬいぐるみの様に、毛皮はもふもふ

肉球はピンクのぷにぷにで、これが変則武器って事らしい…


「うむ!スクロールはエクストラスキルらしいのである!」

「ほんとっ!見てみるわっ!」

「それは凄いですね」


皆がぬいぐるみの熊の手に気を取られている中、【伽藍】さんがスクロールを指差す、さっそく開いてみると


【おめでとうございます! 封印解除報酬としてエクストラスキルが 】

【各自ひとつ習得できます! 十のスキルからお選び下さい!    】

【なお最初のスキル開放者特典として、オリジナル名称で使用できます】

【ではこの中からお選びください!                】


その下には十のスキルと説明文がならんでいる

それよりオリジナル名称って、自分が考えた名前でスキルが使用出来るって

事見たいだけど、これ嬉しいけど、

凄いセンスが問われてる気がする…

名前を付けてスキル使用した後で、「何アレ!だっせぇ名前!」

とか言われたら、再起不能なダメージが…


「ふむ!名前も付けれるであるか…拙僧はもうスキルは決めたのである!」


はやっ!俺まだ全部読んでないのに


「私も決めましたよ、名前はそのままにしますけどね」


王子もか、名前はやっぱ難しいよね…


「私はこの【裁きの茨】ソーンオブジャッジメントにするわっ!」


何々…地面から【裁きの茨】を召喚し、指定範囲にいる敵に、移動不可または移動速度低下を与えます、発動時魔法攻撃力+五百%ダメージ、秒毎に追加ダメージ、この魔法が発動地点に火魔法を打ち込むと発火し、発火による追加ダメージ発生、持続時間五分…


えぐいっ!さすがみどりさんえぐいっ!


「私はこれにします…【ミラージュ】」


分身を作るスキルか、4体の分身で、分身は攻撃力、HP半分だけど

命令に従って行動してくれるらしい


「俺は今決めきれないな…効果はいいのがあるんだけど決め手に欠けるんあよなあ…」


二個程、自分に合ったスキルはあるものの、どちらにするか決めきれない


「拙僧は、この【捨て身の一撃】(ファイナルバースト )であるな!」


そう言って豪快に笑う【伽藍】さん

HPの九十九%、SPの全てを使い攻撃スキル、威力は確かに桁違いだけど

使用後は2分間あらゆる回復が不可能…捨て身すぎんだろ!コレ!!


「流石ねっ!そこまで脳筋を通すなんてっ!骨は拾ってあげるわっ!」


みどりさんも苦笑する、

後輩君がスキルスクロールを指差しながら


「俺これよめないっす…レベルが足りませんって表示されるっす…」


エクストラだけあって一定レベルが必要なのか


「ならば将来のために、手元に置いといて下さい、きっと役に立つ日がくるでしょうからね」


「そうよっ!強力なのがあるからっ!」


王子とみどりさんに励まされ


「がんばるっす!レベル上げて使えるようになるっす!」


気合いを入れ直す後輩君


「さて次は、素材と武器ですか」

頷きながら、片手剣を王子様に手渡すガーネットさん


「これは【ラビス=ブリンガー】というらしいですね…深淵に近づく程威力が増して行くようですが、この時点では、少し強い片手剣ですね」


王子は片手剣を眺めながら説明してくれた


「それは王子が持っていてくれていいんじゃないかな?」


俺の言葉に、皆頷く


「あとは、熊のぬいぐるみの手ねっ!何なのコレっ!」


みどりさんが手に取った熊の手を、見つめる


「何よこれっ!コレってーー」


そう言って笑いながら横にいたガーネットさんに手渡す

ガーネットさんは手にとって、暫く見た後


「ひどいですね…でもーー」


そういってくすくす笑い出す

そして王子に手渡し、王子も笑いだす

そして俺の手元にに回ってきた熊の手のぬいぐるみをみる


【トランスフォームベアクロー】


深淵に潜む物が落とした伝説の武器

熊の一撃に相応しい攻撃力を誇る、物理攻撃力+200%

クローモード、ガントレットモードを変形できる

但し、変形時や攻撃時に、必ず語尾に『~~~クマー!』

と叫びながら、攻撃、変形させないと無効

小声も不可! 叫びながらのみ有効


えっと…『~~クマー!』て毎回叫ばないといけないって事…


『変形クロークマー!これでもくらうクマー!』


って叫びながらじゃないと駄目って事…


「よかったわねっ!脳筋っ!強力な手甲よっ!」


苦笑しつつ熊の手を指差すみどりさん


「う…うむぅ…、強力ではあるな…」


そういって目の前に置かれたぬいぐるみの熊の手を見つめる【伽藍】さん

それを、凄いきらきらした瞳で見つめるガーネットさん


「これでさらに強くなれますね!楽しみです!」

「う…うむ…」


純粋な期待の目で見られて、戸惑う【伽藍】さん


「使うかどうかは別にしてとりあえず持っておきませんか?」

「う…うむっ!そうでるあるな!持っておくだけであるがな!」


王子の言葉に、なぜか二、三度頷きながら、熊の手を掴む【伽藍】さん

その様子に皆で苦笑する


素材アイテムは【深淵の欠片】【這い出た物の毛皮】の二つで現時点で何に加工できるかわからない


「さて、今回少し気になった事があります」


分配も終わり、少し落ち着いた頃、王子がきりだした


「北の聖地の封印が解かれて、深淵の回廊が開放されたと、ログが流れたのを覚えていますか?」


王子の言葉に、ワールドアナウンスを思い出し頷く


「北の聖地は聖女が住まう所です、グランドクエストにおいて深淵と対になる場所のはずです、そこが封印されていたという所で、少々疑問が出て来るのですよ」


「どんな事が王子はひっかかるんだ?」

「うむ!北の聖地解放は、まだ全面開放ではないのである」


アナウンスでは七つの封印の一つ、と言っていた

王子は、紅茶を一口飲んでから、続ける


「では北の聖地は、誰が封印したのでしょう?深淵の回廊もそうです、深淵からは、深淵から這い出た物が外に出てきてましたが、聖地は完全に封印されていました」


「どういう事…」

「うむ!なるほど!そう言う事であるか!」

「脳筋っ!わかったのっ?!どういう事なのっ!」

目線を【伽藍】さんに移し、尊敬のまなざしで見つめるガーネットさん


「うむ!北の聖地は誰かに封印されているのである!」


王子様以外の全員が、テーブルに盛大に突っ伏した後

王子がにこやかに続ける


「深淵側が、僕達プレイヤー側が到着いた五百年という月日より前から活動を再開していたという事になりませんか?」


「と言う事は?」


「【大魔導】は、もっと早い時代に転移してきいて、我々を迎え撃つ準備を整えていたのではないかという話しです」


王子の言葉に、皆考え込む


「先の時代に来ていたとして、何か大きな障害に?」


「前の時代に倒されかけて、この時代に準備を整えて待っているというならグランドクエストの難易度はかなりあがるでしょうね」


王子の言葉に、俺もやっと気付く、二D時代でさえ、クリア者がいなかったグランドクエストの難易度がさらに上がる、


「それは…きついな…」


思わずため息も漏れてしまう


「そうねっ…きついわねっ…南大陸の様子も分からないし…」


すると王子は紅茶をティーポットから注ぎながら


「そこで提案です、一度教国から聖地の様子を見にいきませんか?ガーネットさんの転職の本、【伽藍】さんの聖骸布クエもありますし、いかかでしょうか?」


教国は、北の聖地を奉る事が起源になっている国だ、封印の情報も集まるかも知れないし、二人のクエストもある


「いいんじゃないかな?今はワープポイントもあるし、前よりは早く移動できそうだし」


俺はその提案にのる


「いいわよっ!白亜の神殿よっ!乙女の夢ねっ!」


みどりさん…お城じゃなかったけ…乙女の夢…


「うむ!いくのである!」


全員が賛成する


「アシッドさん達いっちゃうすか…」


後輩君が少し寂しそうに呟く


「大丈夫!また会えるさ、また一緒に遊ぼう!」


笑顔で声を掛ける


「それまでにレベル上げて、きっと役に立つようになるっす!」


皆笑顔で、楽しみにしとくよ! と答える


「それじゃ俺達は準備して教国を目指しますか!」


「うむ!いざ聖地へである!」

「そうねっ!乙女の夢にっ!」

「楽しみですね」

高速頷きを見せるガーネットさん


次の目標 【ミスルバ教国】【首都ミネヴァ】 へ!


……

【うーちゃん】【まーちゃん】にまた会えるかな…




閑話を一~二話挟んで、教国に舞台が移ります

閑話の一つは読者様から、要望がありましたヒトデに挑むあの人の予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ