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アサシンズ ロア  作者: ぽんこっつ
帝国編
39/52

【亡霊の古城】中編

ちょっと投稿時間がおくれてしまい、すいません

 所々に苔が生え、一部が崩れている古城の入り口を潜る

そこは大きな広間になっており、広さは奥行きがかなりあり、横幅は十五m程ありそうだった、昔は、荘厳おねさに彩られた大広間は、うす暗く、寂寥感を漂わせていた、その中にあって、異様な存在なのが、広間に置かれた二m程の高さの彫刻の戦士像の四体がある、それぞれ、剣、斧、メイス、両手剣を手にし、構える形で佇んでいた


「あれ、おもっきり怪しいっすよね…」


後輩君は、先頭にある斧の戦士像を指差しながら、カタールを構える


「うむ!壁や床に苔が生えているのに、あれらだけ、綺麗すぎるのである」

「まあ、わかりやすくて何よりですね」


王子様は大きな両手剣を構え直す


「近づくまで待ってくれているならっ!待ってくれているお礼をしてあげなくっちゃねっ!【ファイアストーム】」


みどりさんは、彫刻達に、吹き荒れる炎の嵐を叩きつける

一瞬で彫刻達は、紅蓮の炎に飲みこまれるが、崩れ落ちる事はなかった


「魔法耐性が高いみたいねっ!面倒ねっ!」


みどりさんは、指輪から杖に持ち替えて構え直す

叩かれると悶絶するあの杖だ


「いいわよっ!かかってらっしゃい!杖の錆びにしてくれるわっ!」


そういって杖を、竹刀の様に正眼に構える


(杖としてその構えは間違ってると思うんだけど…)


「来ますよ!みなさん注意してください!」


王子様の声に正面を向くと、四体の彫像がこちらに駆けだした所だった



「ふむ!拙僧の相手は、お主であるか!」


拙僧の前には、メイスを構えた、拙僧と同じくらいの背丈の彫像が立つ

体の厚さは彫像の方が分厚く、彫り込まれている意匠を凝らした鎧も相まって、重厚感を醸し出している


「【剛の覇者】発動である!さあ拙僧と筋肉比べをいたそう!」


スキルを発動し、右手を前に出しこちらに手招きをする

メイスの彫像は、その行為を挑発ととったのか、好機とみたのか

メイスを上段に振りかぶり、拙僧の頭を狙い叩きつけて来る


「うむ!初撃から全力!その心意気やよし!」


唸りを上げて迫るメイスに、両手をクロスさせながら受けに入る

拙僧の両腕に鈍い衝撃が走り、体を揺らす、

スキルの恩恵で、拙僧の身体は鋼の強度を誇るため

ダメージは大した程ではない

しかし衝撃までは殺せず、受け止めた両手に軽い痺れが走る


「では!拙僧の筋肉の番である!【重撃】」


右の拳を、相手の胸に全力で叩きつける

同じ石で作られた物でも、城壁の方が威圧感も、存在感も上である!

叩きつける拳に迷いはない


相手の胸に叩きつけられた、右の拳に鈍い衝撃が走り

彫像は大きくのけぞる


「ふむ!拙僧の一撃を耐えたであるか!見事である!」


そう声をあげ、よろけて態勢を崩した彫像に笑いかける


「これは耐えれるであるかな?!【龍激脚】」


拙僧は、馴染んだ構えから、前蹴りを繰り出す

いたってシンプルな動作、シンプルゆえに無駄も無く、強力な蹴り技


スキルをモーションで発動できると聞いた時、

派手なとび蹴り等をこのスキルに当てはめる事も出来た

だが拙僧は、強力なこのスキルこそ、シンプルかつ無駄のないこの技を選んだ、


唸りを上げて、彫像の腹部に吸い込まれる右脚が、凄まじい炸裂音を響かせる、

その攻撃を受けてしまった彫像は、五m程後方に吹き飛び

光のエフェクトに包まれる

拙僧は、残心を解かずに声を上げる


「うぬ!いい筋肉であった!見事である!」



俺は自分が相手した斧の彫像が崩れ落ちたのを確認して

他のみんなを確認する


(王子様の所も片付いたな…【伽藍】さんも吹き飛ばしていたし、あとは剣の彫像か…)


そう思い、みどりさん達の方をみる、ガーネットさんもいるし心配はしていなかったのだが…


「みんな片付いたみたいねっ!黒子ちゃん、後輩君留めさしちゃっていいわよっ!」


そう声を張り上げるみどりさんの前には

杖でぽこぽこ叩かれながら、叩かれるたびに

ビクンッ!と痙攣をしながら悶えるて転がる彫像の姿があった


「彫像も痛み感じるもんなのか…」

疑問が思わず口にでてしまう


「知らないわよっ!効いてるんだからあるんじゃないのっ!」


そういってさらに、ぽこぽこ叩きだす


やめたげて!もし彫像が痛み感じてるなら、あの痛さでぽこぽこやられたらと思うと、敵ながら同情してしまう…


「うむぅ…敵ながら災難であるな…」

あの杖で叩かれた事のある【伽藍】さんも複雑な表情をしている


「では…いきます…」

ガーネットさんと後輩君がそれぞれスキルで攻撃を始めて

彫像は光に包まれていった

彫像さん…あんた頑張ったよ…


その後、大広間を少し捜索してみるが、目ぼしい物は見当たらず

元々この場所から二階に上がれるはずの大階段は崩れ落ちて二階には上がれそうになかった、


「あとは奥に続く、大きな通路と、左右の細い通路ですね」


王子様はそれぞれの方向を指差す


「奥ねっ!最深部か最上階にむかうわっ!ラスボスは絶対そこだものっ!普通に小部屋とか食堂に現れるラスボスなんて嫌だものっ!」


みどりさんはそういって、奥の通路を指差す

食堂でするめとか噛みながら、愚痴たれながしてるラスボスとかやだな…

とどうでもいい事を思いながら同意して、奥に進み出す


奥につながる通路は、広く四人が横に並んでもまだゆとりがある

壁には、薄い光を放つ蜀台が置かれて、最低限の明かりは確保できている


途中二回程、十字路にあたったが、今進んでいる廊下が、主要通路らしく、一番広い通路だったので、とりあえずまっすぐに進んでいく

モンスターに何度も襲撃を受けたが、狭い通路なので魔法抵抗力が低いモンスターは、みどりさんが放つ【ファイアーボール】に逃げる術もなく、

飲みこまれている、

魔法抵抗力が高い敵は、【伽藍】さんの鉄拳と、王子様の武骨な大剣で叩き潰されていた、たまにみどりさんの杖の犠牲者もでていたが…

俺達アサシン三人組は、後方からの襲撃を処理しながら進んでいた


「ここが最上階ですか」


王子様がやっと辿り着いた大部屋を見回す

古城の五階部分は、全体が大きな広間になっていて、

天井は所々崩れ、その隙間からは星空が見える


「もうっ!ラスボスいないじゃないっ!地下だったっていうのっ!」


みどりさんは部屋を見回しながら、悔しそうに叫ぶ


「うむ!なにもないのであるな…」

「まじっすか!下だったすか…」

ガーネットさんも、残念そうに俯いている


この部屋には、蜀台はなく、天井から差しこむ、星明かりが証明代わりになっていた


がらんとした大広間、他のみんなは見えて無いようだけど、闇の中で闘かう事を得意とする【シャドウ】である自分には、

部屋の一番奥にある【なにか】に気付いていた


「みんな…一番奥になにかいる…いや?何かあるが正しいかな…」


そういって一番奥を指差す

その言葉に、皆が武器を構え直し、ゆっくりと進む


「これは?黒い水晶?」


部屋の奥に置かれていたのは、簡単な小さな机の上に無造作に置かれた黒い球体だった


「触れたらボスねっ!きっとそうよっ!」

そう言って装備を指輪に変えるみどりさん

コクコク頷きながら二刀の短剣をかまえるガーネットさん


「そのようですね、みなさん準備はよろしいですか?」


王子様の言葉に、全員が頷き、王子様ががゆっくりと、水晶に近づく


「----王子っ!上だ!」


水晶に近づく王子様の後方の天井から、何かが落ちて来た

潜んでいる敵なら、レベルが近ければ察知できるはず

それが、襲撃まで感知できなかった…

すなわちカンストプレイヤーよりレベルが上のモンスター

ボスクラス


上を振り向くより、地面を転がり回避行動にでる王子様


【ムダダネ…】


黒い何かはそう言って、王子様ではなく、地面に向かい

拳を打ち込む


デイヶイ=スローズ】(腐敗の怠惰)


その言葉と共に大広間に、禍々しい黒い波動が広がる


「いきなり範囲かよっ!やってくれる!」


防御姿勢をとりながら、禍々しい黒い波動に飲まれていく


「ぐっ!」「ぬううううっ!」

「駄目っす!耐えれないっすっ!」

「なんとか耐えるのよっ!みんながんばってっ!」

「なんとか…がんばりますっ!」


黒い波動の中で姿は見えないが、皆の声は聞こえる


「やってくれるじゃねえか…」


俺は、久々に全力で戦えそうな敵に会えて

ーーーー少し笑みが浮かんでしまった


敵が使ったスキル名の単語の区切りが曖昧だったので訂正しました1月11日22時

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