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アサシンズ ロア  作者: ぽんこっつ
帝国編
32/52

番外編 クリスマス狂想曲

クリスマスの番外編を書いてみました

帰宅してから書いたのでもうイブが終わる時間です…


仕事が少し残業になったが、なんとか二十時前に帰宅できた


「今日は、イブだけあって街も賑やかだったな…」

そう言いながら、最近お気に入りの唐揚げ弁当を開ける


「これもチキンさ……泣くな俺!悲しくない!クリスマスにチキンだぜ!」

そういって更に悲しくなったのでさっさと食べてしまおう……


そして、ログイン


「はいはーい!メリークリスマスです!」

なぜかあの蒼い部屋にログインして、【ミーア】さんに出迎えられる、

妖精さんも、サンタさんの恰好でかわいいミニサンタさんだ、


「メリークリスマス!【ミーア】さん!どうして俺はここに?」

帝国首都でログアウトしたはずだし、再生されるようなイベントもないはず


「はい!実はゲーム内をクリスマス仕様に模様替え中なのです!あと15分程お待ちください!特別ダンジョンもありますよー!」

妖精さんは、サンタさんの衣装でくるくる回りながら楽しげに話す


「臨時メンテなのかな?特別ダンジョン?」


「そうです!各PT事で挑戦できるインスタントダンジョンですよー!大判小判がざっくざく!レアもざっくざくですよ!24日、25日限定です!」


妖精さんは楽しげに笑顔だ、サンタさん衣装が気に言ってる様でさっきからくるくる回りながらポーズを決めている


「へえ!楽しそうだね、それによく似あってて可愛いよ」

「ほほほ本当ですか!似合ってますか?本当にですか!!」

「ああ、可愛らしいよ!【ミーア】さん」

妖精さんは自分のほっぺに手を持っていきながらクネクネしだした


「やだなー!もう【アシッド】さんたら正直なんだから!似合ってますかーえへへ…褒めても何もでませんよ!もう!これ回復薬の【妖精の秘薬②】です!よかったら5個程ですがどうぞ!」

案外おだてに弱いな…


「そろそろ開くのです!ではお楽しみ下さい!メリークリスマス!」

妖精さんのその言葉と共に、俺は光に包まれた



「凄いな…ここまでやるのか…」

見慣れていた筈の帝国首都は、クリスマス仕様で大きく変貌していた、

街路樹は全てデコレーションされたツリーへ、民家もクリスマス仕様で赤と白でデコレートされて、大きな靴下もぶら下がっている


みんなが居るはずの【黄金の羊亭】へむかう、

そうすると食堂に全員集合していて、三段の大きなケーキが真ん中に居座っていた


「メリークリスマス!みんな!」

ちょっと嬉しくなって笑顔で話しかけてしまう


「「「「メリークリスマス!」」」」


「ちょうどよかったわっ!今からケーキを切り分けるけどっ!あの大きなチョコとイチゴの所を争奪じゃんけんよっ!負けないわっ!」

みどりさんが三段目の一番上に置かれた大きなイチゴとサンタ人形とメリークリスマス!と書かれた大きなチョコレートを指さし、意気込む


「今回は私も負けませんよ…いくらみどりさんと言えど譲れません…」

ガーネットさんも右手に握りこぶしを握り気炎をあげる


「そうですね、私も参戦させて頂きましょう、楽しそうですし」

王子様もなぜか乗り気だ…


「うむ!拙僧のマッスルじゃんけんは生涯不敗である!」

【伽藍】さんは両腕に力瘤を作りながら気合いをいれる

なんだよマッスルじゃんけんってさ…


「いくわよっ!勝負よ!」

「「「「「じゃーんけん」」」」

「「「「「 ぽい!!!」」」」


「ぬううううううう!!!拙僧がっ!マッスルじゃんけんが!」

そういって床に崩れ落ちる【伽藍】さん


「マッスルじゃんけん…恐ろしい敵でした…」

ガーネットさんが呟く


「そうねっ!強敵だったわねっ!でも闘う前から負けは決まっていたわ!」

みどりさんの言葉に、ハッ!と見つめる【伽藍】さん


「闘う前から……であるか?…」

「そうねっ!あんだけ力いっぱいコブシ握ってたら、絶対【ぐー】しかでないじゃないっ!」

王子様も苦笑いしてるし、俺もそう思ったのでみんな【ぱー】を出した


「迂闊であった…拙僧はまだまだ未熟…」

そういって【伽藍】さんは綺麗な 【Orz】 になった…

君の仇はきっと俺がとるぜ…


「二回戦っ!いくわよっ!」


「「「「じゃーんけん!ぽん!」」」」


「わたしっ!私のイチゴがっ!サンタさんがっ!乙女の夢がっ!」

片膝をつきうなだれるみどりさん


「最大の敵を倒したのです…」

自らがだした【ぐー】を更に握りしめるガーネットさん


「おや、勝ち残ってしまいましたか」

少し苦笑いの王子様、これが無欲の勝利ってやつか


「おっかしいな普段は俺、じゃんけん弱いのにな…」

俺自身は、普段は大抵負け役なのに…


「ああっ!私の夢っ…乙女の夢が消えていく…」

【伽藍】さんと同じ【Orz】になるみどりさん

俺は今!みどりさんを越えた!その犠牲は無駄にはしない!


「それでは、私が合図しますよ!」

王子様が笑顔で合図をだす


「「「 じゃーんけん!ぽん! 」」」


ああ…この世に神はいなかったのだ…

俺は自らだした【ぱー】を天に向けて差し出しながら崩れ落ちる

くそっ!普段は負ける役なのに、勝ち残ってきたら、

(今日はイケる日なんじゃ!これ勝つんじゃないの!)

なんて希望を持たせて、あっさり奪う神を俺は呪う…


「やりました…ついに私は【シャドウ】越えたのです…」

自らの【ちょき】を前に突き出し【勝利のⅤサイン】にするガーネットさん

俺は負けたのか…


「おや?偶然って怖いですね…」

王子様、俺はあんたが怖いっ!さらっと勝っていくその才能がっ!


「では、最後いきますよ!」


「「じゃーんけん!ぽん!」」


王子様 【ぐー】 ガーネットさん 【ぱー】


「ややややりました!!!乙女の夢獲得です!」

ぴょんぴょんとび跳ねるガーネットさん


「おやおや負けてしまいましたね」

苦笑いの王子様


横で項垂れて【Orz】の二人は見てないが、俺は見ていた

王子様は、ガーネットさんが気合いが入りすぎて振りおろす前から【ぱー】になってたのをみて【ぐー】に変えたのを…

王子様…

はしゃいでとび跳ねてるガーネットさんの横で、王子様は俺にそっと、

内緒でね!と人差し指を口に縦にあてながら苦笑いしていた…


「あっでも!せっかくなのでチョコはみんなで分けましょう!サンタさんは準優勝で王子様にあげます!」

ガーネットさんは少しはにかみながら、そういって笑った


「ケーキが終わったら次はインスタントダンジョンいくわよっ!」

みどりさんはチョコ全員分けで少し元気を取り戻してそう宣言したのだった



         ーーーーーー食後ーーーーーー



「いらっしゃいませ!クリスマスダンジョンへようこそ!」

クリスマスダンジョンに向かうと、サポートフェアリーずの三人がお出迎えしてくれた、三人ともミニサンタさんだ


「注意事項を申し上げます!クリスマスダンジョンは、ご自身の装備やスキル、敵も全てクリスマス仕様となります!ご注意ください!」


クリスマス仕様のスキルや装備ってなんだ…


「そのクリスマス仕様の装備とかってーーーー」

「「「ではではいってらっしゃーーい!!」」」


話は最後まで聞いてくれぇぇ!

そうして笑顔のフェアリーずに俺達は送り出された


「何ここ…」

送り出された先は天井は無く、壁代わりにラッピングされた箱が積まれていた、床もカラフルで、黄色やピンクや青など色とりどりだ


「いやああっ!なんなのっ!これっ!」

みどりさんの叫びに思わず振り向く、そこには普段の赤ローブではなく、真っ赤なミニスカサンタさんがいた…みどりさんはスカートを押さえているがミニはミニのまんまだな…

「もうっ!変人あんまみると杖で叩くわよっ!」

うおっ!みどりさんは、顔を赤くしながら杖を出す!杖はやめて…あれ…

みどりさんが取り出した杖は大きな赤白で包まれたスティックキャンディーになっていた…クリスマス仕様恐るべし…


「なんなのこれっ!飴じゃないっ!杖は私の杖はっ!」

大きなキャンディーを握りしめうろたえるみどりさん…

ごめん…笑いが止まらん


「え…と…私は…これは…」

今度はガーネットさんの声に振りかえる

そこには立派な角を生やして真っ赤なお鼻を付けられたきぐるみトナカイさんがいた…


「なんか…お鼻がぴかぴか赤く光っているんですが…」

その言葉の通りお鼻は、赤の点滅をしている…


「うぬ?!拙僧は何であるか?自分で見えないのである!」

【伽藍】さんの言葉に振り向くと…うん…雪だるまだね……

可愛らしい雪だるまから筋肉質の腕と足だけ飛び出してる…

身体だけ雪だるまなんだ…なんてホラー!


「私はこれはましな方なのですね…」

王子様の方を振り向くとそこにはまさに王子様がいた、

真っ白の気品高い礼服の上着、真っ赤なマント、まさに王子様!

上半身だけ…下半身は白馬になっていた……

馬の前足部分が王子様の足で、後ろは飾りらしい、馬の胴体部分には王子様の下半身部分が小さく絵で描かれていた…


「みんなひどいな!」

そういって腹を抱えて笑おうとしたらなんか堅い感触がした…

あら?そういえば…俺なになんだろう…俺自身の姿は首が下に向かなくてみえない…そういえば振り向くのも身体事だったな…首がうごかない…


「なによっ!あんただってソリじゃない!」

そういってみどりさんが俺を指さす!

ソ…ソリ?あのサンタさんが乗ってる奴?

俺はソリが立っている状態の着ぐるみから顔と手だけでている状態だった…


「うむ!ドミノみたいである!」

「押したらこけそうですね…勝てる…」

「これは、こけたら起き上がれるのでしょうか…」

まって!押さないで!ちょっとガーネットさん!!押さないで!こける!

歩くのもちょこちょこしかあるけない……

俺アサシン系なのに動けないし隠れれない…これ…


「だめねっ!ソリはソリの役割で荷物持ちって事よ!」

みどりさんまとめないでください…

そしてみんな、うんうんって納得しないで…


そして進むダンジョンにはサンタ衣装に包まれたモンスター達が待ち構えていた、可愛い物から、トロールのミニスカサンタの様な危険物まで……

王子様の大剣は板チョコに、【伽藍】さんの手甲は綿あめに、俺とガーネットさんの短剣は麩菓子になっていた…



「いよいよボス部屋ねっ!早く終わらせて帰りましょうっ!」

「そうですね、終わらせましょう」

「もう…お鼻ぴかぴかは嫌です…目がちかちかしてきました…」

「うむ!前がよく見えないのである!」

そういえば【伽藍】さんだけ顔出てないもんな…

それで曲がり角でよくぶつかってたのか…


「「「「「 いこう!! 」」」」」


そこは、広い広い部屋だった、向こうの壁がみえない…天井も見えない白い空間だった、そこに真っ赤なサンタ衣装に身を包み、派手な赤と白のエフェクトに包まれた男が一人たっていた…あれ…色違いのもっと禍々しい奴はドット絵でどっかでみたような…

【よく来たな!我こそはこの世界を破壊する者】

【サンタに触れてしまった古代の大魔導 ミリュネシオン】


グランドクエストのラスボスがこんなとこでなにしてんの…


「あの…グランドクエのボスですよね…」

【違う!私はサンタに触れてしまった大魔導だ!違う…】

そういって【大魔導】さんは少し悲しそうに俯いた…


「あれねっ!仕事だから仕方なくっ!てやつねっ!」

みどりさんが一人納得しながら【大魔導】を指さす


【違う!イベント事だから無理やりやらせれている訳ではない…】

そういって更に俯く…


「お互い早く終わらせた方が傷が浅そうですね…」

王子様の意見に【大魔導】を含めた全員が頷く…


「じゃあ悪いけど決めさせてもらうわっ!【メテオストーム】」

【ふっ!その程度こちらもいくぞ!【メテオストーム】】

みどりさんと【大魔導】はお互いに両手を前に伸ばし、大呪文を唱える

ちょっ!こんなとこでそんな広範囲が交錯したら大変な事に!


ほらっ!空から無数の飴がふってきたじゃないか!!

え…飴?…飴?!

そう空から無数の飴が隕石代わりに降り注ぐ!

イタッ!思ったより勢いがあって痛いな…

みどりさんと【大魔導】はだまったまま見つめあっている…

なんか気まずいな…これ…

あっお互いに目線を外した…すこし咳払いとか二人ともしてる…


「やるわねっ!」【お主もなっ!】


そういって二人とも元に戻ってきた…

これ…どうしようもなくね…

そうすると王子様が何か言いだした


「これは独り言です」


ん?どうしたの王子様?【大魔導】さんも含めて聞き入る


「このまま運営の悪ふざけスキルだと、多分お互いの心の傷が深くなるだけの様な気がします」


あー…うんそうだな、


「もしここのボスの攻略条件に、倒すだけじゃなく、撤退というか途中で戦闘を切り上げる条件なんて見つからないですかね?みなさん」


なるほど…前のイベントみたいに撤退したり、お互いに引く条件がないかと提案してるのだ【大魔導】側もスキルが全部おかし系でゴミ化してる以上、俺らを倒しきれないだろうし、俺らのスキルも同じで、それに加えて精神的ダメージが大きい…お互い妥協しませんか?って話だ


【大魔導】はこちらを向き、ニヤリと笑う


【ふはははっ!この部屋は15分で空間が閉ざされてしまう!】

【それまでに我を倒せねば、完全クリアーにはならんぞ!】


「あっ、完全クリアーじゃなくていいです」

思わずいってしまう、頷く一同…

そしてみんなで座って休憩タイムに入る…【大魔導】も座ってるし!

でも、俺は座れないんだ…ドミノみたいなソリの着ぐるみだからね…


【ふははは!あと30秒じゃぞ!】

「あっ!お疲れさまでした、今度はちゃんとグランドクエストで会いたいですね!楽しみにしています!」

俺はそういって頭を下げる

【大魔導】は

【わしも正式にお主らと闘いたいものよ…深淵のふちでお主らを待つ!】

そういって姿をかき消した



俺達は、フェアリーずのいる蒼い部屋に戻ってきた

姿も元に戻ってみんなほっとしていた


「おつかれさまでしたー!おしかったですね!完全クリアーは無理でしたが、最終ボスまでいったので景品があります!」


おっ!なんだろ!みんなも興味をひかれた様だ!


「はい!準クリア景品は!」

景品は!なに!


「今回のイベント装備一式を衣装でプレゼント!!凄いでしょ!」



「「「「「   いらん!!!!   」」」」」



そう断ったのに無理やりアイテムボックスに詰め込まれた…

しかも【廃棄不可】って…

やりやがったな運営めっ…



そうしてクリスマスの夜は更けていく…

運営からのありがたくないクリスマスプレゼントと共に










【大魔導】さんもイベント用になっている、あくまで番外編ですので…

関係ありませんが私の晩御飯は、すき家でした…orz

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