図書館にて&【ミーア】さん
読んで頂きありがとうございます、稚拙な文を読んで頂いた方々本当にありがとうございました
俺は王立図書館に潜入していた、
みんなで来るはずだったのだが、王立図書館というだけあって入るのには入場クエストが必要だったのだ、そこで先に俺がその本が転職に必要な物か確かめるために【潜入】スキルで忍び込んだ
ガーネットさんも同じスキルがあるのだが、まだ武器クエストが終わっていないのでそちらを優先してもらう事にしたのだ
(…と、この本棚かな…)
見上げるほどの高さの本棚から探し出す
(ア行から…っと、あった!)
古ぼけた本を手に取りそっと開く、
そこには、転職クエで知り合った【老アサシン】が語った話と同じ話が書かれていた、
(当たりかな…っと)
そのまま読み続けていくと最後の方のページで違和感に気づいた
【そうして私は、隠居しこうしてみなに物語を聞かせているのだよ】
うん…ここまでは前の転職クエストと同じだ
【ただ私にも心残りが一つだけあるのさ…】
ここからは見た事がないセリフだった
【私が受け継いだ【シャドウ】のスキルをたった一人にしか伝える事ができなかった事さ…そして奴も【大魔導】との闘いでどっかにいっちまった…】
あー…スキルを一人にしか伝承できなかったのか…
それは無念だったのかなあ…
ん?!一人にしか?!
俺?俺だけなの?俺、永遠に【ぼっちシャドウ】なの?
【もし未来に【シャドウ】を目指す奴がいたら、そいつを探してみてくれ…運が良ければ出会えるだろう…【失われたシャドウスキル】にな…】
えーと…俺転職NPC入りなんでしょうか…
一応中の人はいるんですがね…
「はいは~い!サポートフェアリー【ミーア】参上です!」
「うわっ!びっくりした!」
突然目の前に【ミーア】さんが現れた
「ちょっと此処ではまずいのでいつもの部屋に移動しますよ~!」
そして、いつもの蒼い部屋に辿り着いた
「どういう事でしょう?俺がただ一人だけなんすか?」
妖精さんが、ビシッ!と指を突き出しポーズを決めて話し出す
「ご説明します!【アシッド】様には、できれば協力して頂きたいのです」
「ご協力…?」
妖精さんは両手を大きく広げてまたポーズを決めて喋り出す
誰だ…余分な物教えた奴は…
「はい!実は最上位職の移行者の方数名にお願いしているのですが、最上位職で転移された方は現在16名のみです!その方々には【失われた伝承者】として、最上位職を目指す方の目標であり、立ちはだかる壁でいて頂きたいのです!」
「つまりはどういう事ですか…?」
話がさっぱりわからないのでもう一度聞き返す
妖精さんは両手で頭を抱えてるポーズだ…
「わかりました!はしょって説明します!最上位職16名は転職を受け付ける事が出来る様になります!一応断る事もできますが…」
「なんでっ!俺が転職NPCも兼ねるって事?」
「短く言えばそうです!ただインしてない時や普通の転職NPCも準備しておりますので安心ですよ!」
またまた指を突きつけて決めポーズを取る
「ちょっ、なにが安心なんすかっ!第一に課題とか俺が考えるんですか?」
転職にはなにかのクエストが付随する、討伐だったり、収集品だったり
「そこはご安心を!ランダム課題ボタンができますので、それをポチッていただければ、すぐに作成できます!」
ああ…なら安心だ!
違う!安心じゃない!なぜそんな事になるかだ!
「なんで俺がそんな受付を?」
「はい!500年後でも同じクエストというのは、いかがな物かなっと言うのと、数少ない最上位職の方々にも多くの方々と触れ合って頂きたいからです、【ぼっち最上位職】だと寂しいでしょ?」
うぐ…ぼっち職とか痛いところだ…
「もちろん特典もつきます!受けて頂いた場合は【正式スキル伝承者】として、スキルの攻撃力持続時間などにボーナスが付きます 」
特典は魅力的だけども…なんかめんどくさい…
「さあ!受けて下さいますか?」
目の前に選択肢で 【Yes】 【No】が浮かんだ
ボーナスは魅力的だけど…ここは面倒なので【No】だな…
そうして選択肢に手を伸ばそうとすると、
【ミーア】さんが必死でその腕を戻そうと抱きついていた…
なにしてるの…【ミーア】さん…
【ミーア】さんは半泣きで説明してくれた
「うう…ごめんなさい…実はこの案【スカラ(略)】が全体フェアリー会議中に『はい!私いいアイデアが浮かびました!プレイヤーの同士でも何か遊べるイベントがあったらいいなと思います!そこで試験的に人数は少ないけど、このゲームをやり込んでおられた最上位職の方々に手伝ってもらって何かするってどうでしょう!』って…」
「うん、それで?」
「じゃあ具体的になにで実験するかで、【スカラ(略)】が『なら転職受付でいいんじゃないですか~』と言ってしまって…」
あの人か、また口で騒動をおこしてるな…
「部長さんが無茶だって言ったんですけど、盛り上がっちゃたフェアリー達がやろう!って盛り上がってしま…って…そしたら部長がじゃあやってみなさい、できなければ特別全体緊急フェアリー集会(個別面談有)だって…」
個別面談有って恐ろしい…
「なのでなんとか!なんとかそこは【Yes】を!!」
妖精さんが頭を下げてお願いしてくる
んー…メンドクサイけど…
しょうがないか!
「わかったよ!いいよ…これで成功になるの?」
妖精さんは満面の笑顔でお礼を述べた後少し遠い目をして言った
「いえ…16名全員が了承しないと失敗なのです…」
それ…多分無理よ…
「でもご安心してください!受けて下さった方にはちゃんと継承者になれますから!」
満面の笑顔で妖精さんが言う…
面倒が増えただけな気がする…
「ではでは~元の場所にお戻ししますよ~」
そうして図書館に戻されたのだが
「怪しい奴がでたぞ!」「追え!」「何処に行った!」
戻った先では【潜入】が解けていて
気づかず歩いてて大騒動になってしまった…
後日【ミーア】さんに聞いたら、結局受けてくれたのは7名だったらしい