【幕間に踊る喜劇役者達】
稚拙な文をお読み頂きありがとうございます、まだまだうまく書けませんが読んで頂けると幸いです、ありがとうございました
私は今、エレベターで地下に向かっている、運営会社の入るビルの地下四階、
公式には存在しない、特殊なセキュリティーキーと生体認証が入れない特別なフロアへと…
エレベーターを抜けると、そこは騒々しい空間だった、
壁一面には多数のモニターパネルが置かれ、それぞれがどこかの国の株価や先物、相場などを表示している、
50名ほどのスタッフが各自のモニターに向かい、ある者は大声で電話で話しある者は何人かで集まり意見を交換している、多種多様な人種が働いていて、飛び交う言葉も多種多様だ、しかしここも運営チームの一部
名目上は私が部長である、もっとも名前を知っているのは数名だが…
「こんばんは!MR城田、【フォーチュンチーム】になにかご用ですか?」
声を掛けて来たのは、20代半ばの白人の女性だった、この女性はこの若さでここの異様な空間を取り仕切るフロアチーフだ
「ああ、あいつに用事があってな…」
「そうですか、彼は【彼女達】と一緒に下にいますよ」
そういって彼女は奥にある扉を指さした
「ありがとう」
そういって私は奥の扉に向かう、本来ならこの扉の前でも色々セキュリティー解除や認証があるのだが、扉は自動で開いて奥に誘ってくれる
「見られているか…あいつらも意外と暇なのだな…」
そうしてゆっくりと奥に進み階段を降りていく
地下五階、そこは殺風景な部屋だった、手前にはあいつが座り、六つのモニターを眺めていた、彼の居る場所から奥は、二m程の高さの黒い箱が無数に並び、奥行きは部屋の奥まで伸びていた
「やあ、久しぶりだね!」
あいつが話しかけてくる
「そうか?まだ一週間程だと思うが?作業は順調か?」
「おっとまだそれ位だったか、ずっと地下にいたから時間間隔がおかしくなっちゃったかな?作業は順調だよ!恐ろしい位にねっ…とっ」
「相変わらず殺風景な部屋だな、ここは」
「そうかい?俺はけっこう好きだけどね、あのVRの特許をもつ企業様が作った次世代システムさんとも遊べるからね」
そういってあいつは無邪気に笑うー
最初にVRシステムを見た時は衝撃だった、もしこれをゲームに応用できたらどれだけ素晴らしいゲームができるかと興奮した、だがそのシステムを利用するには莫大な金額が必要だった、何社かの大手企業が合同で出資してゲーム会社を作りVRゲームを開発した時も、わが社にはその最低出資額を出せる余裕がなかった、
そんな中あいつは【アメルナオンライン】VR化を夢見て、単身で特許システムをもつ国際的複合巨大企業に向かった、
そして帰ってきたのだ、VR化の許可と【裏運営チーム】を手土産に
あいつが何を提示して、見返りにこのシステムを得てきたのかは、私は知らされなかった、
「これでVR化ができる!またみんなで【アメルナオンライン】を始めれるんだ!更に進化して!楽しくねっ!」
あいつは満面の笑みでその時言った
そうして今、彼は私に向かい話し出す
「負荷も全然問題ないしさ、もう3000人程追加できないかな?ちょっと我らが【お姫様】ももっと多くの出会いが見たいっていいだしちゃってさ」
【お姫様】
ここにある裏運営やこの五階のシステム群も彼女の一部でしかない、本体は何処にあるのかは知らない、
巨大企業が開発した事象予想システム【タロットナンバーズ】
カードの名前を冠した22のシステムが、何処で何が起きれば利益が上がるかを推測し提示する、現状や近い将来に最適な利益を提示するシステムだ
その中の【ホイールオブフォーチュン】【運命の輪】がここの【お姫様】だ
私は、そのようなシステムがある事も【お姫様】がここに来て初めて知った
【そうなの!私はもっと多くの人達と出会いたいわ、一緒にお話をして色々な事を知りたいわ】
部屋の何処かから幼さの残る女性の声が聞こえた
「おっと、お姫様いらっしゃい、他のお仕事は終わったのかい?」
【他の何人かにまかせてきたわ!私はこの世界を大きくして、もっと色々みて見たいの!】
私は思わずうめいてしまう
「話せるようにしたのか…前まではモニターに浮かぶ文字だけだったはず」
「ああ、喋ってくれた方が楽しいかと思ってちょっとね…」
【そうです、彼は私達に色々教え、与えてくれました、ただの学習予想システムでしかなかった私達を2Dアルカナや色々な世界に連れて行ってくれて様々な出会いをさせてくれました、そのお陰で私達は各自様々な特徴を得て、より特化したシステムになれました】
このゲームに協力しているのは、彼女だけではなく、22全てのシステムがここにあるような56の出先機関の一部を使って関わっている、そうして人々と会話したデータが集められ、彼らの中に取り込まれていくそしてそれらは、人々に対応するNPC等に応用され、個性として色づけされていく。
「なぜここまでのシステムを引っ張ってきたのですか…」
私は思わず訪ねてしまう
【私達は、最初に彼の提案を聞き、自分達に有益であると判断しました、そして、あなた方をみて、それは確信に変わりました!現に私達は、個々に特徴を持つようになり、話を出来るようになりましたから】
「で…どうだい?【お姫様】はもっと人と出会いたいらしいけど、3000人追加許可してくれるかい?」
「ああ…わかったなんとかしよう…」
【やった!ありがとうございます!】
「よかったね【お姫様】」
そうして私は部屋を後にする
俺達はまた過ちを犯そうのしてるのではないか…
そんな思いがよぎる…
自分達の手で作り上げた2D【アメルナオンライン】
VR化のために、何か大切な物を差し出してしまったのではないか…
私は迷いながらも歩みを進める、追加受け入れの準備をしないといけない
「今は信じて進むしかありません…、もう歩んでしまったのですから」
うーん、うまく情景描写ができないと反省…