小話 部長編
部長の小話です
読んで頂いた方本当にありがとうございます
回想編ぽくなってます
ああ、、楽しいなこのゲームは
それは最初苦労したものなあ
3DMMO全盛に、2Dドット絵MMOを開始するって
社内でも
「あいつ何考えてんだ、無理だろ」って笑われたな
でも企画会議で熱っぽく語ってるあいつを見てたら興味がわいて
その企画会議では没になったけど、あいつの熱にやられた何人かが
協力しだしたんだよな、俺も含めて
そこから半ば強引に企画ごり押しして
辞表片手に、社長んとこまで押しこんで
みんなで頼みこんだっけ
最初に接続10,000人超えた時
泣いたっけ、いや笑ってた気もする、泣き笑いしながら
みんなで抱き合ったっけ、
いやキャラデザインの美穂ちゃんは全力で逃げてたっけ
接続50,000人超え
忙しくなって行くみんな
流行らないといわれていたゲームが成功
みんな不自由になっていった
いつからだろう
このゲームに自らログインしなくなったのは
最初の頃は
「アップデートだって?俺がまずテスト鯖で試してみるわ」
「いやいや俺がだろw」「いやいや」「誰かどうぞどうぞで譲ってくれよ」
競いあって、みんなで試して遊んで
これは無理だろー、このスキルいいね!この衣装かわいい!!
なんて言い合っていたのに
企画書をみて決済を押す
動かないドット絵だけをみて決済を押す
数字だけならんだスキル変更仕様書に決済を押す
つまらなかったな
そして今回の24時間放送
最初のイベントで、私は久々に楽しめた
【運営の想定外】いい言葉だ
想像力や発想力で、既定路線を超えてきたのだから
楽しいなこのゲームは
VR版もかなりいい
なんせあいつがまた嵌り込んで作っているからな
子供が真っ白な画用紙に絵を描くように
あいつは新しい世界をまた自由に絵描き始めた
でも最初のあいつの分身のこのゲームが終わるってのは
すごい寂しがって悲しんでたしな
生放送を途中で抜け出して
無理やり書いた企画書
【アメルナオンライン2D】存続の意義と有効性
VR機器は未だにそれなりの値段もするし
PCほど普及しているわけではない
VR版へのステップとして
などなど色々お題目が書いてある
本音は、やっぱりプレイして楽しいから終わらせたくない
わがままである
一回決まった路線を覆すのは無理無茶なのは承知の上
数年前と同じ様に
辞表片手に、社長室を目指す
あいつが途中に立っていた
「混ぜろよ、楽しそうだ」
「機器はぎりぎりいけるのはわかった」
「だがソフト、運営する人材はどうするのかね?」
「「俺ら二人が対応します」」
「二人でか?」
「手を空いてるやつをたまに借りるかも、、、、」
「まあ【アメルナ】は君たちが作ったんだ、
この会社がここまで大きくなれたのも【アメルナ】のおかげだ」
「会社に大きな負担をかけないのならまかせる」
二人が退出した後
残された男のPCが起動する
画面の壁紙は
【アメルナオンライン】設立メンバーが最初に作ったキャラ達の集合SS
だった、26人のドット絵キャラ達がどこかの牧場で集合していた
「俺もちょっと無くなるのは寂しかったしな、、、」
あいつって誰?て感じになってしまいましたね、、、