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傍観の人形使いと攻略対象の彼ら  作者: 朝霧波斗夜
第1章 物語の始まり
4/33

1-(3) キラキラは目に眩しい

主人公がどんどん壊れていく。

戻ってきてー!

 大和兄に抱き上げられて入った生徒会室には、間の悪いことに役員が全員そろっていた。

 

 「ちょっとここで待ってて」


 と、下ろされたソファーに早速近寄ってくる人影が二つ。


 「えーと、櫛灘さん?だっけ」


 まず一人目。微妙に人の名前を覚えていなさそうな幸薄少年。

 三海(さんかい)(みなみ)。金色にも見える薄茶の猫毛を片側だけピンで留めている。生徒会書記で、私のクラスメイトだ。薄桃の瞳が可愛い。彼は、いろいろと小さい不幸が積み重なってできたと言っても過言ではないほどの不幸体質。確か、ヒロインによく効く『厄払い』のお守りなるものを貰う予定だった気がする。


 で、二人目。三海くんの少し後ろでこっちを見ているちょっとワイルド系な先輩。

 四見(よみ)智也(ともや)。襟足の長い黒髪に赤茶の瞳がよく映えるちょっと筋肉質な人。筋肉質と言っても、ほかのメンバーがスラッっとしているだけでマッチョな訳ではない。無愛想で真面目過ぎるところもある人だが、意外と面倒見がよくてゲームの序盤ではおっちょこちょいなヒロインを兄のように見守る。ちなみに生徒会副会長だ。


 「あの?櫛灘さん?」


 「あ、はい。なんですか」


 いけないいけない。ゲームの設定に考えが行き過ぎて返事をするの忘れてたみたい。

 三海くんは、ちょっと首をかしげながら質問をしてきた。どうでもいいが小動物みたいで可愛いな三海くん。


 「さっき、慧斗くんと何かあったの?」


 あー、はいはい。えっとですねー。

 口を開こうとしたが、その前に書類と杖を拾ってきてくれた大和兄が答える。


 「扉の向こうでぶつかったみたいだよ。大丈夫、慧斗がテンパッて事故した訳じゃないから」


 にこやかに言う大和兄。え?慧斗くんはテンパると事故を起こしちゃうほどのドジッ子なの?

 よく分からないが、三海くんがうんうんと頷いてるところを見るといろいろやらかしちゃってるらしい、慧斗くん。


 それはそうと大和兄、私の杖を早く返してほしいんだが。

 袖をくいくい引っ張って杖を指差す。マイ ステッキ プリーズ。


 「あぁ、はい」


 「ありがと」


 大和兄に渡された杖をついて立ち上がる。書類を提出しなくちゃいけない。預かったのは私だから、ちゃんと最後までやらなくちゃね。苦笑した大和兄から書類を受け取って、会長に差し出す。


 「ご苦労様」


 三海くんたちとのやり取りを静観していた会長は、やさしく労わってきた。一言なのになんか哀れみが感じられるのは、会長も慧斗くんの被害にあっているのかもしれない。思わぬところに犠牲者発見。


 会長こと九谷(くや)瑞希(みずき)。青みがかった黒髪と青い瞳を持つ高等部生徒会会長。特徴は、いつも腰にさげている日本刀。ちょっと時代錯誤な気もするが、彼の得意魔法は振動を作るものなので仕方が無いのかもしれない。まぁ、本人が新撰組とか好きなことも関係あるんだろうけど。


 生徒会の攻略対象はこれで終わり。後は特待生監督教師と生徒会の顧問。セカンドに入れば攻略対象の追加もあったりするが、今の所生徒はこの4人だけ。高等部生徒会はこの少数精鋭で仕事を回している。皆さん個人で黙々と仕事をする人たちだから、あまり人手があると気が散るのかもしれない。


 とまぁ、ひとまず攻略対象の代表格が見れたので良しとしますか。私はそろそろ疲れたので帰るとしよう。

 と、思っていました、さっきまで。言い出そうとしたら大和兄にお話あるから残れって言われて。またソファーに落ち着くことになった私。窓の外を見るともう薄暗くなっている。


 まだ帰りは遅くなりそうです。

やっと出ました、大和兄以外の攻略対象。

これからじゃんじゃん出していければーっと、話の流れ的に他二人はもうちょっと先になりそう。


お気に入りの数増えててびっくり。ありがとうございます。

これからもどうぞよしなに。


誤字・脱字・感想受け付けております。アドバイスはオブラートに何重にも包んでお願いします。ではまた。


*テストが終わったので明日更新は難しいかもしれません。できる限り頑張ります。

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