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傍観の人形使いと攻略対象の彼ら  作者: 朝霧波斗夜
第1章 物語の始まり
3/33

1-(2) 正面衝突って地味に痛い

サブタイトルは、主人公の感想的な…

 入学2日目。私は今日も学校に登校している。

 理由はヒロインと攻略対象を見るため。大和兄がゲームの性格そのまんまだったから、他キャラクターもそうだと思うけど。ここは一応現実だし。攻略対象の性格ぐらい知っといて損は無いし。

 考えたくも無いけど、大和兄の幼馴染というだけで避けては通れない人達だ。




  ◆ ◇ ◆ ◇




 さぁ、やって来ました生徒会室。

 現在私は少しお疲れだ。なぜなら今左手に持っている書類。授業が終わったときに担任に渡された、おそらく生徒会への提出書類。

 いや、先生。確かに大和兄の所に行こうとしたよ?でもさ、杖ついてる女の子にさ、20枚もある書類を渡すかな?普通渡さないよね?

 そんなことを考えつつやってきた生徒会室。階段が強敵だったよ。

 杖をついてる右手に書類を持ち替えて、ノックしようとすると、向こうから扉が開いて人が出てくる。

 もちろん書類と杖を一緒に持っていた状態で避けることができるはずも無く。出てきた人と正面衝突。

 バランス崩して倒れると同時に書類が散らばった。


 「えっ?!」


 カシャンという杖の落ちる音で気づいたのだろう、室内に顔を向けていた人が振り返る。

 その男の子の顔を見て、私は思わず顔をしかめるところだった。こげ茶色の髪の、どこかわんこを思い出させるような可愛い顔の男の子。丸いオレンジの瞳がキラキラしている。

 七灶(ななかまど)慧斗(けいと)。中等部の生徒会会長で3年生。かなーり人見知りな攻略対象だ。

 私は頭を振って意識を現在に戻すと、尻餅をついたなんともしまらない格好だけれども、そのまま頭を下げた。


 「すみません」


 「あ、」


 慧斗くんは、うろたえたように身じろぎをする。

 そんな慧斗くんの姿を疑問に思ったのか、生徒会室の中から声がした。 


 「慧斗?どうしたんだい」


 声とともに近づいてくる足音にほっとした。あの声は大和兄だ。

 すぐに扉から顔をのぞかせた大和兄は、慧斗くんを怪訝そうに見て、次いで座り込んだままの私に目を見張った。大和兄が出てくるまでに女の子座りになった私は少し苦笑気味にそれを受け止める。


 「瑠那、これは?」


 「あー、っと正面衝突?」


 うろたえてる慧斗くんじゃ埒が明かないと思ったのか、大和兄が声をかけてくる。てか私に聞かれても困るんだけど。ぶつかったぐらいしか言いようが無いじゃないか。

 だが幸いなことに大和兄はそれだけで事情を飲み込んでくれた。まぁ、場所的に考えればぶつかったぐらいしか思い当たらないだろうけど。


 「慧斗、もう行っていいよ」


 大和兄は、慧斗くんにそう声をかけると、私の脇の下に手を入れて持ち上げる。人見知りな慧斗くんがペコペコして去っていくのを持ち上げられたまま見送ると、私は大和兄に抱っこされて生徒会室に入った。


 あ、書類どうするんだろう。大和兄が集めてきてくれるのかな?

テスト期間の更新って地味につらい;;

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