テストリターンズ。
テストが帰ってきた。
とりあえず平均点とれて安心する。これならお母さんも怒んない。
そういえばこれからはユーキが叱る役とかになったりするのかな。
かなり放任主義な母だし、オカーサマも褒められるような頭してないし。
ちょっと怒ったユーキとかみてみたいかも、なんて思っていたら、ガン!!と隣で大きな音。
隣の――ミカの席を見たら、死んでいた。頭を机に突っ伏して。
「え、なに見るからに暗いんだけど追試キタ?」
「追試キター」
ぐてぇ、と机に伸びるミカ。髪が机に広がってなんか、おばけっぽい。黒髪なら某映画だけど金だしなぁ。いまいち迫力が欠けるっつーか。
「あ、カナさんどうでした?」
そこへとことこ寄ってくる夏の虫。
ご丁寧に自分のテスト用紙を持っていたのでぶんどった。
「あぁっ」
とか情けない声を出すが気にしない。
「うーわー」
うーわーとか言っちゃったうーわーとか。
それをお仲間!?と勘違いしたか、がば!!とミカが起き上がりユーキのテスト答案を覗き込み、
「裏切り者ー!!」
「ひひゃいひひゃひひひゃいへふー!」
ユーキの頬をひっぱった。
ユーキが助けを求めるように手を伸ばすので、笑顔でその手をにぎにぎしておく。
100点満点のテストで全教科平均90点取るようなやつに、助けの手はいらないからね。