花嫁修業後日談。
「で、お弁当作ってきたの?」
「うん…」
眠そうだねー、とミカ。
正直言ってちょっとクマとかできてそうで嫌。
そんなあたしの膝の上には弁当箱がひとつあり、例によってあたし達は屋上にきていた。
カパ、とふたを開けてみる。
昨日の残りの野菜炒めと、所々白いお米の残るチャーハンと、ウィンナーにミニトマト。
「じゃがいもが入ってる野菜炒めとかめずらしーね」
「そ、そうですよね!美味しくできましたよね!」
美味しく"は"できた。美味しく"は"。
いや、っていうか味付けはほぼユーキの指示通りやったからなんだけど。
なんで野菜炒めになった。
結局自分で作ったのはチャーハンとウィンナーだけだし。
結局あの母にしてこの娘ありというか。
「だ、だいじょうぶですよ!僕も最初はうまくできなかったですし!」
「そうかなぁ?」
「そうですよ!」
そういうユーキのお弁当は、今日はあたしとおそろのお弁当。
あたしにもおしえてー!
なんてミカもいってるし。いや下心まるみえだけど。
もうちょっとだけ、がんばってみよう。
あんな母みたくならないように。
うわーんユーキーなんて泣きついてみた。ミカざまぁ。いやしかし、真っ赤になるユーキは普通にかわいいな…。
そんなことをちょっと思ってしまった自分を反省。