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とあるオーナー達について  作者: シロクロ


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廃ホテル・翠玲ホテル

歩く音が響いていた。映像の中は薄暗い森の中を映し出された。揺れる映像がゆっくりと向けられると崩崩壊しかけている建物が映し出される


窓ガラスが割れていて廃墟なのは誰がどう見ても確定的だった


『ここが噂の……』


落書きされ、すりガラスが割れた扉の前に。そのまま回るように周囲を映し出される


不法投棄されたゴミが散乱し、粗大ゴミ果ては、家具家電と時代似合わない代物まで


手が伸びてゆっくりと扉を開けると鈍い音が響きながらゆっくりと開いて


『酷いな……当たり前だろうけど……』


エントランス。目の前が瓦礫とゴミで散乱していて、男性は歩いてカウンターに置かれてるノートを見つけてゆっくりと開く


────


開業日


ようやくこの日が来た。楽しみと夢がようやく叶う。ここからがスタート


○月○日


客足が遠のいてく。やっぱり数十年。長く続いたけど……近くの○○が出来てからそっちに……


〜〜〜〜〜・〜〜〜〜〜


○月○日


何で……何でだ……デタラメな事を書くな……嘘だ!


何で誰も……信じてくれないんだ……!


○月○日


閉業。何とか立て直そうとした……けど……限界だった……


嘘まみれのコメントのせいで……


頑張ってきたのに……


○月○日


限界……


負債こそ無かった……が……最後……


夜空が綺麗


────


『無念だったろうな……』


そう呟きノートを閉じていた。オーナーと思われる人の苦悩が最後には殴り書きで書かれていて、丁寧だった字から想像つかなかった


ゆっくりとエントランスを見て回っていく。様々な賞や写真。トロフィー何かもホコリが被って残っていた


『そうだった……記録として残すんだ話すべきだった』


『ここはかつて、有名なホテルで色んな人、芸能、各著名人が泊まるホテル


ある日を境に今では真偽不明な嘘のコメントによる悪意によって閉業した後にオーナーが自殺。今でもオーナーの無念が残るとされていて、心霊現象も起こると……


廃墟探索の為に来たけど……怖いよりも悲しい感じだな』


そう言いながら歩いて壊れて動かないエレベーターを映してからそのまま階段だと思われる場所へと向かう


幸いな事に地図が残っていて、それを頼りに動けているが……それでも建物自体は崩れやすくなっている


一部屋一部屋扉が疎らに開いていたり閉じていたりと、侵入した形跡が残っている


そのまま一部屋の一室を映し出す


『作りは同じだし……ここでもいいか』


カメラを部屋へと向けて撮影していた。外の景色は廃墟を除けば綺麗で、正に絶景だった。川や滝の流れが程よく聞こえていて邪魔にならない……正に泊まるには絶好の場所


『確か……悪意と言うよりかは、腐った食べ物、賞味期限が切れてるとか、悪口、建物事態の耐震性とか……ありもしないでっち上げだったか


見たけど……酷い有様。精神を病むのも頷けるし……』


カメラを向けるとこことは別の場所に一際大きな建物が立っていた。勿論廃墟で……このホテルを潰した直接な原因のある建物で、このホテルの廃業後数年も経たずに廃業したという


恨みなのかはたまた……それは分からない


カメラを部屋の中央へと向けて回りながら撮影し、そのまま部屋へと出ていく。暫く廊下が映し出されて、ようやく階層が見える場所に


大きいとはいえ三階しかなく、二階へと上がるにしても同じ作り。ただ、三階から上は屋上。同じだから一通り回って戻る


映像はひたすら同じ光景を映し出していて、そのままエントランスへと戻っていた


そして、エントランスのカウンターの奥へとカメラを向けていて


『それじゃ、問題の場所に……』


そう言ってカウンターを乗り越えてから中へと入っていく。鍵入れが散乱、その奥の部屋の中へと


中には書類関係、ホテルや名簿帳簿、はたまた回収されるはずの銀行通帳や債務書までもが残っていた


債務が無いとは言っていたが、それでも残るのは残るのか紙として残っていた


どれもこれも全て埃まみれで何十年と残された物なのは間違いなかった。カメラはそれを写しながら部屋の全体を取ってから部屋の外へ


そのまま建物の外へと出た。時間にして2時間。探索には十分な時間で次の場所に行くにもそんなにかからなかった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「行くべきじゃなかったと後悔はした」


撮影者はそう答えていた


「どうして?」


「俺は記録を残したくて廃墟探索を初めた。過去の栄光とまでは言わないが、それでもかつては賑わい存在したと証明する為に


ただ、この時は違った。後悔や無念じゃなかった。ただの怒りだった


シロクロさん。これを見てどう思うか?」


そう言って数枚の写真が机に。一枚は人影が映り込む玄関。二枚目はエントランス奥に完全な人が映りこんだ写真


三枚目は首吊りをした死体が映し出されていた


「……偽物じゃない……と?」


「……これがどんなに偽物と信じたいか。確かにあの日、部屋では何も無かった


なのに……何でカメラにはハッキリと人。それも人骨と生身が写ってるのか……」


そのもう一枚の写真は……生身で今まさに首を吊った直後の写真で、その顔は苦痛に歪み、目は恨みの籠った眼差し


そして、視線の先は……大きな廃ホテルへと向けられていた。これを聞いて


「……そのホテルにも行きましたよね?」


「あぁ。あそこは自殺者と殺人……それが立て続けに起きて廃業したホテル


今でも思う


行くべきじゃなかった。ただ、この人に言われるがままに向かってしまったと……」


そう答えていた。そして、映像を見せてくれる事に……その映像がこれよりも酷いと……今では信じられなかった……


────


4枚目の写真


首を吊った直後の写真で、その顔は苦痛に歪み、目は恨みの籠った眼差し


ただ、その奥には生身の人間がその男性を見て嘲笑うかのように、そして、手にはロープが握られていた


生きてるか分からないが一つ分かるのは……その映りこんだ人は既に死んでいる事。その死亡原因が最後の殺人事件によるものだった事……




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