第6話 ○っていいとも
「「○っていいとも」は見学した時の俺が映りこんだビデオ録画がある」
「…それはこのタブレットにあるんか?」
「ある」
「…一応、見せてみんかい」
動画を再生。
――――
壇上。
若い男3人組がステージ上で歌を歌いながら踊りだす。
「お昼休みは、うきうき、ウオッチング、あちこちそちこち、いいとも~♪
お昼休みは、うきうき、ウオッチング、あちこちそちこち、いいともぉ♪
<ジャラン チャッチャッチャッ♪ ジャーン♪>
How do you----
ステージ中央からサングラスの男が現れ歌いだす。
「昨日ま~でのガラクタを~♪ーー--……
……--ーーいいとも、いいとも~、いいともろ~~~♪」
――――
茫然のシーナとエルメダ。
「…なんぞこれ?」
「お昼休みはうきうきウオッチングだ。
司会は「○モリ」。踊りは初代いいともの青年隊だ」
「「……」」
――――
サングラスの男が客に向け、
「友達の友達は、皆友達だ。世界に広げよう、友達の輪っ!」
観客席が映し出され、
「「「「「「「「「「輪っ!!」」」」」」」」」」
――――
「……なんぞこれ?」
「友達の友達は、皆友達だ。世界に広げよう友達の輪、だ」
「なして皆、手を上げマルの形にしとるんじゃ?」
「マル、すなわち「友達の輪」を表している」
「……は?」
「交流関係など人と人の繋がりや広がりを表現。
この世界で例えるなら人族や獣族など、いがみ合わず、反目しわず、生きていこう、それを言葉や形などで伝えている。
要は仲よしこよしで友達になろうというメッセージがこの輪に込められている訳だ」
「いがみ合うて、好戦的、差別を先導、助長してるんは人族側なんじゃがな」
「そうなの、獣人を虐げてる人族、大きらいなの…」
「この世界での貴族や上級国民による差別や不平等は承知している。それに対して改革が必要ということも。
だが、いまここでの掲載ではシリアス系は不要。
この件は、別の所で取り上げる予定だ」
「「……?」」
タブレットの動画を早送りする。
――――
「あしたも見てくれるかな!?」
観客席が映し出される。観客が右手を上げ、
「「「「「「いいとも!」」」」」
――――
動画一時停止。
観客席の5列目の右端に、ロングヘア―のサングラス男が右手を上げている。
ゴトーはその男を指さす。
「これが俺だ」
「今のような短髪じゃないのか…」
「長髪、似合わないの」
「これ、ゴトーも「いいとも」言っとるんか?」
「ああ、お約束だからな。これを宣言するからには次の日もこの番組を観なくてはならない。土日以外このループは続く」
「毎日、ここに来て見てたんか?」
「家でテレビという媒体で昼食を食べながらの鑑賞だ。予約録画も含むが32年間、このルーティーンは続いた。
もちろん日曜日の「○いとも増刊号」も忘れずにチェック。CM内や生放送後の会話は見逃せない。
金曜日の「いいとも」は後続番組の「いただきます」もそのまま録画。
「○石家さんま」が「○堺一機」と絡むからな。
ちなみに「さんま」はその番組ではノーギャラだ」
「「……?」」
「動画自体、変わっててあんまり面白くなかったわ。アニメや歌の方がええのじゃ」
「歌がいいの!」
「歌は世界共通、いや、宇宙共通ということか。先代勇者が広めたことでそれが証明されているな」
「チキュウの歌とは知らんかったが、何十年も今だに歌い継がれておるからのう」
「先代が転移された時代は1950年代。
それ以降の歌を広める事には何の問題もないということ」
「チキュウの歌なら大歓迎じゃわ」
「ミクの「○本桜」は間違いなくヒットするの!」
「ここでは、著作権侵害の○ASRACは存在しないからな」
「「……?」」
「70年代は「山口百恵」「○ンク・レディ」「○ャンディーズ」。
「80年代は「○田聖子」「○森明菜」等アイドル全般。
90年代以降は「○ARD」「○原涼子」「○多田ヒカル」
「○フィ」「○PEED」「○ーニング娘。」「○ニモニ」
「○もいろクローバーZ」「「○KB48」「○坂46」「○木坂46」
「○do」「○OASOBI」。
「ボーカロイド」系の「○音ミク」「○音リン」「○うさP」。
それと、アニソンの存在を忘れてはいけない」
「あにさん?」
「アニメソング。「○空の城○ピュタ」のエンディングテーマ曲を指す」
「おー、あれはなかなかの名曲じゃわ!」
「終わった後の余韻がすごかったの!また「らぴゅた」が見たいの!」
「アニソンの話は長くなる。
「鉄腕○トム」から「○送の○リーレン」。
OP、EDはこのタブレットに入っている。
今後数話に渡って語るか、オマケにしよう。
という事で話を戻す。
「桃色幼女」の結成。歌を歌ってみないか?」
「ゴトーが望むなら歌ってもいいの」
「ワッチはええわ。あんなヘンテコな服、絶対お断りじゃい」
「ゴトーの頼みなの、やるしかないの!」
「あんな変な踊りと、太もも曝け出すんじゃぞ」
「まずは70年代の時代「○ンク・レディ」から攻め込む」
「おい、ワッチの話聞いてるんか?
なんであんな辱めいた服で歌わにゃいかんのじゃ。
それにここでは獣人や亜人に対して忌避感あるんは分かるじゃろ。誰も童の歌なんて聞かんわ。よほどのカリスマ性がなきゃシレーヌのような一角にはなれん」
「正直そこまでこの世界での実績に期待はしていない」
「期待せんて、それやる意味ないじゃろ」
「ここでの成果や需要がなくとも、地球ではネットやテレビで十分通用する」
「通用するて、チキュウ行けんじゃろ」
「ここで重要なのは獣人の子たちの全力を尽くし歌やレッスンをしたという実績。その様子を映像に収めたドキュメンタリーの制作」
「…どきゅんめんたり、ってなんじゃ?」
「ドキュメンタリーとは事実に基づいて構成された記録映像。視聴者に強いメッセージを伝えること。
「メイキング・オブ・GTO(ジーテーオ―)13 獣人っ子たちの夜明け」ここで獣人たちの子に歌と踊りの特訓、努力をする姿、その汗と涙の記録映像を残したい。
地球に戻った時、その映像はとてつもない破壊力になるだろう」
「記録て、いままでスマホでとった映像とかか? 魔獣や「ゴブリン・キング」と闘ったような」
「そうだ。これからは獣人っ子たちを先行して撮って撮って撮りまくる」
「…そうか、そりゃまあ、ゴトーの好きにしたらええわ」
「だがそれにはスマホの容量問題かある。今のまま魔獣魔物の闘いと、獣人っ子映像を並行で撮るのなら、容量オーバーですぐ録画ができなくなるということだ」
「…ようりょう? 意味分からんぞ」
「簡潔に説明すると、いままでシーナに撮ってもらった俺の闘いの映像が、コップに入った水、3分の1だとしよう。まだ映像を撮る余裕は3分の2は残っている。
録画する度にコップの水の量が増えていく。半分を越え、3分の2と増えていき、並々と注がれ満タンになると、その時点でスマホの録画ができなくなるということだ」
「いや、まったく分からん」
「方向性、これからの指針は決まった。獣人っ子たちの映像が溜まり次第、いままでの映像は随時削除、それからはこちらに全振りだな」
「は? あの「森の妖精」や「紅龍」の闘いもなくすんか? いやいや、どうみてもそっちの方が凄くないか?」
「獣人たちと比べればなんの価値もない」
「紅龍はあるじゃろう、裸でモロダシがダメなんか?」
「それは問題ない。地球での叡智、モザイクがあるからな」
「あの、「ラーメン動画」のモザイクか!」
「うむ」
「しかしチキュウではそこまで獣人に価値があるとは驚きじゃわ」
「一部界隈では需要が高い」
「界隈って、それってごく少数派じゃないんか?」
「・・・・・」
「ゴトーは我と紅龍なら、どっちをとるの?」
「獣人だ」
「やっぱり我とゴトーは相思相愛なの、もう結ばれるしかないの」
「エルよ、ゴトーはケモ耳シッポしか興味ない思うぞ。
それにゴトーよ、熱弁しとるが魔王のこと忘れてるんじゃないか?
本懐の魔王退治を」
「・・・・・」
「メッチャ忘れとるやないかい!」
――――
6 ○っていいとも 終わり
7 VTuber 斗羅子Ch
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スルーOK
オマケ
――
「他には歌はないんか?」
「なんでもいいから聞きたいの!」
「アニメのエンディング「○もいろクローバーZ」の「○ッポン笑顔百景」を観せよう」
「お、あにさん、だな!」
「アニソンだ」
動画再生。
――
(「○ouTube」参考動画)
【ED】○ょしらく/「○ッポン笑顔百景」
「じ」 「ニ」
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動画終了。
「じゅげむじゅげむ、なの!」
「なんじゃ、この小話はチキュウの歌になってたんか」
「先代は落語まで伝えていたのか」
「らくご、言うんか。こういう小話は、けっこうチキュウの話もあるのかもしれんのう」
「有名どころの「時ソバ」はあるのか?
屋台で客が勘定をごまかす小話だ」
「それなら、時ウドンじゃ。
チキュウどんだけこの世界に娯楽を提供しとるんじゃ?
「ショウギ」や「チンチロリン」もそうらしいしのう」
「チンチロは、使用人たちが賽で賭けをしていたの」
「なんかセロンが常勝しとるらしいのう、これはワッチがお灸を据えんとな」
――
<注>
フラグ発生
後にシーナはコテンパンにやられます
――
終わり




