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中、夏に咲く花
雨の終わり
ぼんやりとした熱気が纏わりつく日曜日。
寝返りを打つ度、軋むパイプにウンザリとしながら
浮遊した視線が天井を掴む
機械的に流れるニュースを
機械的に耳が覚えて
何巡目かの夏の日付はきっと
偶然を装う為の口実で。
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言い訳なんだろう、空の青さは
飄々とした風は僕を貫き去ってゆく
歩くたび滲む汗を 凛としない衣類が拭う。
群衆がビル、愛のない無機質は
たちまちその姿を虚像に変えて
信号機が鳴く、交差点は噎せる
雑音に満ちたこの世界は
いつまでもずっと、ずっと不安定で。
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見慣れた風景を
最後にみたのは一時間前か
喧騒がウザったくて、無意識が導く道の先
ビルを望んだ足元は踵を返し
不機嫌に音を鳴らす
夏の音以外、聴こえない歩道を
踏み込むペダルのように一方に。
等間隔に並ぶ街路樹が
時計の針を遅くしているような
過ぎる度に重くなる身体を
やんわりと停止させる