第一章第三話「両親からのメッセージその1」
第三話は父悟からのメッセージ場面です、
「希様、メッセージを再生します。お茶を飲みながらご覧ください。」
守がそう言うと、目を閉じて壁をスクリーンに変え、メッセージが映し出された。
画面に現れたのは、父・悟の姿だった。
「希がこのメッセージを見ているということは、私の予見通り、事態が起こったのだろう。」
父の声が響くたびに、私は胸が詰まりそうになった。涙がこぼれそうになるのを必死にこらえたが、決意してこのメッセージを最後まで見ると決めていたから、涙を堪えた。
「希、すまない。事態を予見してコールドスリーブ装置を3台作る予定だったが一台しか作れなかった。」
「そのため、母さんと相談して、地球の未来を希に託すことに決めた。」
この時点で、両親の深い愛情にまた涙があふれそうになったが、私はそれを押しとどめた。泣くのは、最後まで見てからにしようと心に決めていたから。
「希、驚かないで聞いてくれ。私たち『未来家』は、代々不思議な力を持っているんだ。私の場合、予知夢という力を持っている。そして、言い伝えによれば、私が亡くなった場合、その力は子に引き継がれる。だから、今の希なら、予知夢を見ることができるはずだ。その力の使い方を、私の父・翔お爺様の館に保管してある。まずは、そこを目指してほしい。」
父の話が終わると、母・彩が画面に現れた。
「悟さんの話が終わったなら、次は母さんから話す番ね。」
母の映像が現れ、そこにも母の肉声が響いた。
次は母彩のメッセージになります。




