第一章第一話「目覚め」
タイトル通りで、希がコールドスリーブから目覚めた場面です。
西暦2150年。希がコールドスリーブに入ってから、ちょうど100年が経過した日。
「100年経過。コールドスリーブ解除を開始します。」
機械的な音が響き、時間がゆっくりと流れる。
「➖300°…➖200°…➖100°…0°…」
「脳に異常なし。引き継ぎを完了、温度上昇開始。」
「10°、心配ありません。蘇生開始…成功しました。」
「引き継ぎ温度を上昇させ、体温を測定します。」
「体温34°、室温16°。」
約48時間が経過し、私はついにコールドスリーブから目を覚ました。
目を開けると、見慣れない部屋の天井が広がっていた。
少し混乱しながら、視線を動かすと、目の前に見覚えのない顔の人物がいた。
その人物は、無表情で、静かに私を見つめている。
「おはようございます、希お嬢様。」
声は冷静で、どこか機械的だった。
少しの間、私は言葉を失った。頭の中はまだぼんやりとしていて、状況を把握するのに時間がかかった。
やがて、私は辺りを見回し、疑問が湧き上がる。
「ここは…どこ?あなたは誰?」
その人物は静かに答える。
「ここは、100年後の希様のお部屋です。私は、希様を守るために作られたアンドロイド、『守』です。」
その言葉を聞いて、私は100年前のことを思い出した。
――あの日、父と母が私を守るために決断して、コールドスリーブに入れられ、時間を超えて
今目覚めた事。
これから希がどうなるか?楽しみして下さい




