第三章第三話「お爺様からのメッセージ」
お爺様からのメッセージ場面です。
「このブローチが反応したのは、そういうことだったのね…」
私はそう思いながら、次のページをめくった。
ーー西暦2050年5月10日
結界を張っているから家の中は安全だが、いずれ食料が尽きるだろう。
恐らく、儂に残された時間は限られている。孫の希に何か残せるものはないかと考えた結果、ひとつの答えにたどり着いた。
もしこの日記を読んでいるのが孫の希なら、次のページを開きなさい。
そう書いてあったので、私は次のページを開いた。
そこにはこう書かれていた。
「希よ、ここにブローチを置くのだ。」
指示通りにブローチを置くと、それが光り、壁にお爺様の姿が浮かび上がった。
「希、このメッセージを見ているということは、儂の実験がうまくいったということだな。」
「希、代々未来家に伝わるそのブローチは、15歳になる時に送られる物だ。そして希が15歳を迎えた頃、核攻撃が起こる一年前になる。だから儂は、細工をして希にそのブローチを贈ったんじゃ。」
「ここにブローチを置けば、儂のメッセージが流れるように仕掛けを施してある。」
「ここまでは理解できたか?」
私たちは頷いた。
「では、本題に入ろう。儂の部屋から右に進むと書斎があり、その中に『予知夢を引き継ぐ者よ』という本がある。それをまず見つけて読みなさい。次に、書斎の奥に進むと未来家の家系図がある。それがきっと希の助けになるはずじゃ。」
「最後に、あのブローチはこの館の隠し部屋を開ける鍵になっておる。家の中にはブローチをはめる場所があるから、それを探すんじゃ。ちなみに、希がこの家を出ると結界が解け、家ごと崩れることになるから、十分に注意せよ。」
「以上だ、翔おじいちゃんからのメッセージは、これで終わりだ。」
そう言うと、ブローチの光は静かに消えた。
これからどうなるかお楽しみに。




