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第三章第二話「館に着いて…そして」

館まで約1時間かけて館を目指した希達がそこで見たものは?

かつて広島だった場所から、私たちは守のマップ案内機能を頼りに、約1時間ほど歩いて館を目指した。そして、ついにお爺様の館にたどり着いた。


「驚いたわ」

「ええ、私も驚きました」

館に着いた途端、私と守はその目の前の光景に驚愕した。周りは焼け野原で何も残っていないのに、館だけはまるで何かに守られているかのように、奇跡的に綺麗な状態で残っていた。


「行きましょう」

「はい」

私はそう言って館に近づいた。その瞬間、私が身につけていたブローチが輝き、館の扉がゆっくりと開いた。


「希様、これは…?」

「私にも分かりませんが、扉が開いたので、入ってみましょう」

「分かりました」


館に入ると、不思議なことに明かりが灯り始めた。その灯りを頼りに奥へ進むと、お爺様の部屋があった。私たちはその部屋に入り、机の上に置かれた日記を見つけた。日記の最初のページにはこう書かれていた。


「この日記を読んでいるのが孫の希であることを祈る」

どうやらこの日記は、私宛てに書かれたものらしい。私は喉を鳴らし、少し落ち着いてから日記を読み進めた。


ーー西暦2040年、息子の悟が来た時のことだ。


「父さん、聞いてくれ。もし僕の予知夢が正しければ、10年後、世界は核攻撃によって滅びる。」

「その時が来るまで、コールドスリープ装置を家族三人分作るつもりだ。でも、時間が足りないかもしれない。間に合わないかもしれないが、せめて、娘の希に未来のことを託すことになる。」

「なるほど。それで儂にどうして欲しい?」

「父さんの結界を張る能力で、いつか希が来る時まで、この家を核攻撃から守って欲しい。」

「分かった」


ここまで読んで、私たちは納得した。この家は、お爺様の能力によって守られていたのだと。


ーー西暦2050年、息子が言っていた通り、核攻撃が始まった。私は急いでこの家に結界を張り、孫の希が来る時、未来の家に代々伝わるブローチに反応するよう、念を込めて結界を張った。

次回はお爺様からのメッセージになります。

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