第3話
ある昼下がり、策太郎の父親、正太郎はバーに翔太を呼び出していた。
「悪いな、こんな時間に呼び出して。翔太君?」
「いえいえ、ちょうど仕事もなくライドもなかったので」
「で翔太君、そこで頼みがあるのだが」
「なんです?頼みとは?私は自転車にしか興味ないですよ?」
「自転車にしか興味ない?自転車以外の仕事をしているのに?」
「まあ、自転車以外の仕事をしていますが?仕事と興味は別ですよね?」
「そうだな。まあ、そんな話は置いといてだな?策太郎のことだ」
「策太郎君のことですか?策太郎君とは最近あってないですね・・・。策太郎君は元気ですか?」
「元気も元気さ。その策太郎が自転車が欲しいと言い出してだね」
「ほほう?その自転車とは?」
「ロードバイクさ」
「ほほう!ロードバイク!そして?」
「そのロードバイクを買うのを手伝ってほしい」
「その頼みなら受けて差し上げましょう」
「誰目線だよ」
「すみません・・・。テンションが上がってしまいました」
「テンションが上がったらそういうキャラになるのね・・・。まあいい。翔太君空いてる日時は?」
「直近なら明日一日ですね」
「わかった。明日の9時にここ集合でいいか?」
「了解です」
「その報酬は刺身定食でどうだ?」
「わかりました、では明日の9時に」
そういってその日の会合は幕を閉じた。
そうしてその晩、策太郎は正太郎に呼び出された
「策太郎、明日9時に俺のバーに来い」
「なんでだ?」
「お前の自転車の話だよ」
「自転車の話!?わかった行く」
「返答までが早いな!?おおう、了解?じゃあすぐ寝ろよ?」
こうしてこの親子は寝るのであった。
そうして、その次の日の9時、正太郎のバーの前
「おっす!翔太君」
「おはようございます。正太郎さん。そちらの子は?」
翔太の目線が正太郎の後ろの策太郎に移る
「初めまして、翔太さん。私は松本正太郎の息子、松本策太郎です。以後お見知りおきを」
「いやあ、礼儀正しい子ですね。策太郎君」
「いやはや、自慢の息子だよ。本当に」
そうして、翔太は二人を見て言う。
「じゃあ、自分が運転するんで、移動しましょうか」
そうして車を下松方向に30分移動したところにその店はあった。
「ここは?」
「ここはロードバイク専門店『ヒジカワ』です。自分のひいきにしている店ですよ」
そうして、策太郎一行はその店に入る。
「いらしゃいませー。ああ、浅川さんじゃないですか?」
「浅川さん?」
「浅川は自分の苗字です」
「へえ、そうなんだ。ところで翔太君、値段くそ高くない?」
そんな時、翔太の後ろから一人の白髪のイケオジが出てくる。
「それはフレームの材料や自転車についている機材のグレートで変わるのですよ」
「ああ、肱川さんじゃないですか!紹介しましょ」
「いいや、自分で自己紹介はしますよ。
私は肱川誠二。ここの店長です。ところでここへはなんの用で?君?」
策太郎は圧をかけられた・・・ような気がする。
「店長、言い方が怖いですよ。」
「おお、すまないね。浅川君。どうも人見知りでね。
ところで浅川君?この人たちは?」
「初めまして、私は松本正太郎。でこの後ろにいる子が私の息子、松本策太郎です」
「初めまして、松本策太郎と申します」
「で今日はどのようなご用事でしょうか?」
「ああ、自分が説明しますよ。この松本親子はロードバイクを買いに来たんですよ。ですが初めてなのでここに連れてきた次第なんです」
「ああそうなんですか。じゃあまず一つ目の質問です。正太郎さんと策太郎君、どちらがお買いになりますか?」
「策太郎です」
「じゃあ策太郎君?今からあるロードバイク用意するから浅川君と走っておいで」
遅れてすみません。新しいお話も考えておりますので少々お待ちください