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第4部~24才の時の合コン、第1章~クリスマスイブの合コン

 皆様は、クリスマスイブをどうお過ごしでしょうか。


 一緒に過ごす方は、家族、恋人、友達でしょうか。


 それとも1人で過ごすでしょうか。


 その日が仕事だったら、職場(しょくば)(いそが)しく過ごすでしょうか。


 どう過ごすかは人それぞれだと思いますが、恋人が欲しい若者がクリスマスイブに合コンに(さそ)われたらどう思うでしょうか。


 クリスマスイブに合コンに来る方は、高い確率(かくりつ)で恋人がいない場合が多いので、これはチャンスと思うでしょうか。


 それとも、どうせならもっとお店が()いている日がいいな、と思い(まよ)うでしょうか。


 はたまた、クリスマスイブは特番も多いし、テレビを観たいから行かないという人もいますね。


 恋人達にとっては、クリスマスイブは一大イベントですので、ここで急接近(きゅうせっきん)出来たら夜景(やけい)一層綺麗(いっそうきれい)に見えることでしょう。


 一方、ダブルブッキングで、すっぽかされる側だともう落ち込むしかないですよね。


 それでは、そろそろ本題に入ります。


 1996年(平成8年)の12月、ぼくが25才の時に秀明(ひであき)君からクリスマスイブに合コンに誘われました。


 秀明君は、電話口(でんわぐち)得意(とくい)げに語り出しました。


「今回は4対4で、女性メンバーは皆さん美人(びじん)でレベルが高いって話だよ!」


「それは(すご)いね!」


「俺も久々にやる気になっているよ!」


「ところで、今回はどこに集合するの?」


「横浜駅の近くだよ」


「会場は何ていうお店?」


「それが、女性側幹事(かんじ)(しおり)さんが、地元(じもと)だからお店は予約しないでも行けるんで大丈夫(だいじょうぶ)って言うんだよ」


「でも、普段の日と(ちが)ってクリスマスイブだし、予約無しで居酒屋に8人は入れないんじゃないかな?」


「俺もそう思うんだけどね」


「栞さんが予約するのが面倒(めんどう)なだけだったら、秀明君が代わりにすればいいんじゃないの?」


「そう思って、こっちで予約するって言ったけど、(かたく)なに予約無しで大丈夫だからの一点張(いってんば)りなんだよ」


「だったら、ぼくが予約しとこうか?」


「いやいや、それだったら俺がするよ…」


「でも、秀明君が下手に予約して、栞さんの機嫌(きげん)(そこ)ねるのは()けたいって事だよね」


「そうだけど…まあ、栞さんの地元だから大丈夫なんじゃない?」


「そうかなあ、知り合いのお店でもあるのかな?」


 秀明君が、予約無しでも大丈夫という判断を信じている様なので、そこで電話を切りました。


 今回の合コンメンバーは、幹事の秀明君、直之(なおゆき)君、信行(のぶゆき)君とぼくでした。


 信行君は、ぼくの学生時代の友達でした。


「そういえば、信行君は地元が横浜の近くだったよな…」


 と、思い、電話を掛けてみました。


 信行君が電話に出ると、単刀直入(たんとうちょくにゅう)にクリスマスイブに横浜駅の近くの居酒屋で、予約無しで8人入れるかどうか聞いてみると、


「クリスマスイブなんて、どこも満席になるから絶対予約した方がいいよ!」


 と、力説(りきせつ)されました。


「でも、女性側幹事の人が予約無しでも入れるから大丈夫って言って()れないんだよ」


「じゃあ、男性側幹事の人が予約しちゃえばいいんじゃない」


「それなんだけど、予約しない方に賛同(さんどう)しちゃってるんだけど…」


「分かった、じゃあ俺の方で何軒(なんげん)(さが)してみるよ」


(たの)むよ、今回は女性メンバーのレベルが高いって話だからさ」


「それじゃ、尚更(なおさら)予約しないと」


「でも、クリスマスイブまであと4日しかないよ」


「間に合うか分からないけど、探してみるよ」


「もし予約が取れたら連絡してね」


「分かったよ、じゃあね」


 ここで、電話が切れました。


 今回の合コンを開催(かいさい)するは、如何(いか)にして予約を取るかが命綱(いのちづな)でした。


 何で栞さんが予約を(こば)むのか分かりませんが、居酒屋が満席(まんせき)の時は(まよ)わず信行君が予約した店に行けば開催出来る(はず)だと思っていました。


 しかし、それから1日、2日と()っても信行君から連絡が来ません…。


 明日が合コンという時に、信行君からやっと連絡が来ました。


「ゴメン!何軒も当たってみたけど8人席は取れなかったよ…」


「やっぱりな、思った通りだ…」


「明日の合コンは、余程(よほど)のことが無い限り開催出来ないんじゃない?」


「どうする?今から適当(てきとう)な言い訳して2人分キャンセルしようか?」


「いやいや、今回はレベルが高いんでしょ?それはダメだよ」


「でも、寒いんだから公園でって訳にもいかないし…」


「分かったよ!ギリギリまで探してみるよ」


「まあ、期待しないで待ってるよ」


 ここで電話を切りました。


 地元の信行君が何軒も居酒屋を当たってくれてどこも満席なのに、クリスマスイブ当日にお店を探したところで、予約が取れる可能性は限りなく低いと思いました。


 しかし、信行君がやる気になっている以上、ぼくだけが離脱(りだつ)する事は出来ませんでした。


 ぼくにとって横浜迄けっこう距離(きょり)があったし、電車賃もそれなりにかかるので、正直気が重かったのは言うまでもありません。


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