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4.5 ヒロインちゃんと夜会と悪徳令息

ついに始まる夜会!

ヒロインちゃんは無事に乗り切れるのだろうか!?

怪しげな魔法陣ができあがる度、マリアンヌ達に破り捨てられ続けたおかげで平和な授業を送ることが出来たリリアーヌ。

しかし、そんな彼女にも一つの大きな悩みがあるのであった。


「はぁ、明後日の夜会、出たくないなぁ」


それは彼女の目の前にある上等なドレスが原因だった。


「これを着て、夜会当日に婚約を受け入れろ、だなんて・・・」


それはとある伯爵令息からの贈り物だった。

今より数日前のこと、学園の中庭でであった伯爵令息はいきなり


「お前のことが気に入った!俺の妾にしてやる!俺の送るドレスを着て夜会に出ろ!必ずだ!逆らったら・・・分かるな?」


「え、えと、あの・・・」


「おい!返事は!」


「は、はい!」


「よし、では夜会で会おう、ははははは!!!」


私のことを妾にするって言われて、それも悪評高い伯爵令息・・・。

女を道具のように扱い、手を上げ罵倒しまくることで有名な男。

婚約者も昔は快活な人だったとのことだが、今では陰のあるおとなしい人になってしまったという噂だ。

それでいて彼の家は代々宰相を継いでいることから、逆らえる家は殆どない。

よりによってそんな酷い人に目を付けられるなんて・・・。


その日以来、リリアーヌは夜な夜な泣き続けていた。

逆らえば自分だけで無く両親やその地の人たちに迷惑が掛かる。

不当な圧力を掛けられて、とても生活できるような状態では無くなるだろう。

かと言って従えば、物のように扱われ、どのような酷い仕打ちを受けるか分からない。

どちらも選びたくない、でも、どちらかを選ばなくてはいけない。


いくら泣いても答えは出なかった。








そして夜会当日。


顔を真っ青にしたリリアーヌは、伯爵令息から送られたドレスを着て夜会に参加することにした。

断って家族や故郷を不幸にするくらいなら、自分一人が・・・。

それが彼女の出した結論だった。

この長話が終わり、少し休憩が入ったらダンスが始まる。

指定されたタイミングはダンスの時。

ダンスが始まれば・・・もうどうにもならない。


「ダンス・・・始まらないで・・・」


彼女のか細い声は、しかし誰かに届くことは無かった。


そしていよいよダンスの時間。

楽器の準備が始まり、まさに演奏が始まろうとしたその瞬間、


「きゃあああ!」


「あら、これは失礼しましたわ」


いつの間にか近くに居たマリアンヌ様達が私のドレスにワインを掛けたのであった。

え、え?

困惑する私をよそに、


「このような所にみすぼらしい平民がいるとは思わず、目に入っておりませんでしたの」


「本当に失礼な平民ですわね。おかげでマリアンヌ様がワインをこぼしてしまいましたわ」


「ええ、この責任をどのようにとってくださるのかしら」


マリアンヌ様達はまるで『よそ見をしてぶつかってこぼしてしまった』という態度でした。

ああ。

この人たちは、何処までも何処までも広い心で皆を気に掛けてくださっているのでしょうか。

私が青い顔をしているのを見て、そしておそらくは先ほどのつぶやきを拾い、何かあると感じたのでしょう。

そして原因がこのドレスにあると確信し、ワインを掛けて台無しにするという方法で私を!


「ああありがとうございましゅ!」


自然と目から涙が溢れてきました。

お辞儀も勢いが付きすぎて深くなりすぎました。

慌てて顔を上げると、マリアンヌ様達は私に対して薄ら笑みを浮かべておりました。


よく見ればまだダンスの音楽が始まっておりません。

つまりここから一刻も早く逃げ出せ!

そういうことですね、マリアンヌ様!


こうして私はマリアンヌ様達の好意を受けて夜会を脱出したのでした。

そして、その後あの伯爵令息から何か言われることもありませんでした。








◇◇◇◇◇


「え?え?」


僕は目の前で起こったことが信じられなかった。

あの平民娘はいたぶるにはちょうど良いと思い、親の権力を使ってこの場で僕の妾にするつもりだった。

しかし、よりによって公爵令嬢のマリアンヌが出しゃばりやがった!

あれは僕に対する警告だ!


お前の行動は把握している。

この娘に手を出すならこの筆頭公爵家が相手になる。


と。


くそっ、くそっ!

夜会が終わってもイライラが収まらない!

こうなったらあの婚約者でもいたぶるか!

・・・

・・・

おい、これはどういうことだ!?

何故衛兵ごときが僕に触れるな!

え、なに?

父が反乱罪の疑いで捕縛?

で、一族全員に捕縛命令?

う、嘘だ!

そんなはずはない!

ええい、離せ、離せ!

僕は宰相の息子だぞ!

離せーーー!!!



少しでも笑っていただけたら幸いです。

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