父と母の営み。死にてぇ。
ゆっさゆっさとする俺も流石に飽きる。
暗くて何も見えないし、手や足も動かせない。
なんじゃこれ。
俺、退屈過ぎて死ぬんじゃねぇのか?
そう思ったとき突如俺に水風船以外の刺激が加わった。
優しく俺の頭を撫でる感覚。
なんだか落ち着くな。
懐かしい感覚に囚われた俺はしばらくその感覚に浸っていると、なんと視野の下の方から光が指したのだ。
なんだ?次第に広まっていく視野。
そして……
俺の目の前にいたのはパンイチの父親でした。
え?
俺は状況が理解出来ず当たりを見渡す。
ここは俺の父親と母親の寝室だ。
なんで俺はこんな所に……
そして上を見上げて気づく。
ああ、そうか。俺、母さんのブラジャーに転生したんだ。
「……」
「ってえええええ!!!なんで?なんでなんでなんで?」
俺の疑問とは裏腹に父さんは俺の頭をガシッと掴む。
「やめろ父さん!型崩れするだろ!」
当然の如く俺の声は届かない。
「このブラいいね。似合ってるよ」
「そう?大智が水色好きだったから……でもこの歳で明るい色はもうキツいかもしれないわね」
「そんな事ないさ。とても綺麗だよ」
「あら……っ」
やめてくれ!!!
息子が、息子がいます!!!
届けこの想い!!!
頼む!!!
「あなた……お願いこれ以上焦らさないで……」
ああああああああああ!!!!!
──結局俺は父の手によってポイされた後、視界を閉ざし、できる限り聴覚を閉ざし、ただ終焉を祈るのだった。
死にてぇ。