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俺、死す



「えー続いてのニュースです。今日、神〇川県〇〇市で空飛ぶトラックが目撃され、民家に衝突したところ、家にいた17歳の男性が意識不明の重体。緊急で病院に搬送されましたが、2時間後に死亡が確認されました。警察の調べによりますと8歳の少女が身体力テストの際のソフトボール投げの練習でトラックを投げたとのことで詳しい調査を行っている模様です」


 へぇ、俺ってこんなネタみたいな死に方したんだぁ。


 たった今俺、岬大智は天から下界を見下ろしている。


「岬大智様。今あなたには2つの選択肢があります」


「1つは転生してもう一度人生をやり直すこと。2つ目はこのまま天国へと旅立つことです」


 なるほど。死後はその2つから選べるわけね……


「俺、転生したいです」


 志半ばって感じだったしな。

 正直まだまだ未練が残っている。


 できるならやり直したい。


「わかりました。転生する際の希望などはありますか?」


「そうですね。やはり人を支えられるような力が欲しいです。結局、親孝行も出来ませんでしたし、せめて次はしっかり支えられるようになりたいですね。命懸けで誰かを守ったり……あと超能力も欲しいです」


「なるほど。他には?」


「出来れば魅力が欲しいです。相手気に入ってもらえたりとかしたいです」


 できることなら好意は欲しい。せっかくやり直したのにめちゃんこブスで虐められるようになるとかやってられないしね。


「わかりました。以上でいいですか?」


「あ、あと転生した後の環境は整えて欲しいです。優しく撫でてくれる親とか温かく包み込んでくれる人がいいですね」


「わかりました。ではそのように」


 途端俺の身体が光り出す。

 ああ、俺はもう岬大智としての命を終え、生まれ変わるのか。

 やはり寂しいものはある。

 けれど幸運な事に次へ繋がるのだ。


 次こそは後悔しない人生を……



 目が覚めるとそこは暗闇だった。

 どこだここは?

 ゆっさゆっさと身体に重みを感じながら俺は少しずつ意識を覚醒させていくが全く状況が把握出来ない。


 ただ俺の背中には水風船のような感触があり、それに押し潰されまいと必死に耐える事だけが今の俺にできる最大限のことだ。


「あなた!ご飯よ!」


 え……!!


 突如頭上から聞こえる母親の声に思わず驚く。

 どういうことだ?


「ああ!今行くー!」


 ……こっちの声は父さん?


 一体どうなってるんだ?


「ねぇあなた、明後日は大智の一周忌なのだけど……」


「あぁ、仕事の休みは貰ってるよ」


「そう……」


 確信した、今話してるのは紛れもなく俺の父さんと母さんだ。


「早いわね、あれからもう1年かぁ……」


 そっか、俺が転生する間にもう1年経っているのか。

 てことはあれか?今俺は母さんのお腹の中にいて再びこの両親の子供としてやり直すってことか?

 

 時期的にはありえない話じゃないな……


 てっきり異世界かなんかに転生するもんだと思ってたけど、それならそれでもいい。


 再び父さんと母さんに会えるってなら今度こそ親孝行してみせるんだ。




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