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プロローグ
戻ってきて早々ですが、新作始めていきたいと思います
夢を見ているみたいだ。
何もない真っ白な世界に、ひとり。
いや、一人じゃない。目の前に女の人がいる。
彼女は俺に向かってふっと微笑んで、
俺の胸に右腕を突き刺した。
どろり、と何かが流れ出すような感覚がして、自分の中から何かが抜き取られていくのを感じる。きっと、魂とか精神とか、そういうものなんだろう。
俺は何で、そんなものを抜き取られているんだろう?そもそも、ここはどこなんだろう?
疑問は湧き上がるけれど、言葉にはならなくて、
ああ、死んだのかな、とふと思いいたった。
それなりに良い人生だったと思う。
なにか特別なことがあったわけじゃないけれど、毎日は平和で、幸せだったと思う。
ただ、高校生で人生が終わってしまったことは少し残念ではある。でも、不思議と後悔は湧いてこない。
何かをやり遂げたような、達成感に満ちている。
女の人が腕を抜いて、もう一度微笑みかけてきた。
俺は、その笑い方に、覚えが、
次に目覚めたとき、俺は見知らぬ山の中に倒れていた。