第一話『新世界の幕開け』
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目を開けると、平原が広がっていた。
草が生い茂っており太陽の光で黄金色にも見える。
そして・・・
隣には3人の仲間・・なのだろうか?
が居る。
俺がここに来た理由は・・・思い出せない。
ともかく、この世界で生きていくしかないのだろう・・・。
「おい、フィーネどうしたんだよ?」
・・フィーネ?俺のことだろうか?
そう話しかけてきたのは、背が高くスラッとした体格の青年だった。
ザ・モテそうな男である。
「今夜中に、デドリアルにつかねぇとやべぇん
じゃねえのか?」
「・・デドリアルって何だ?」
俺は、質問を投げかけてみた。
「おいおい、デドリアルっつったら大都市だぜ?
ってか、お前が行きたいっつったんだろ?」
俺が・・・?
全く思い出せない。本当に俺自身なのだろうかと不安になる。
「・・・まぁ、出発しましょー!」
小柄な少女がそう促す。
・・・ちっこくて可愛いな・・・。
そうして俺は、何が何だか分からず冒険に出かけることになった。
長い長い冒険の始まりだ。
山を越え、湿地を抜けてやっとデドリアルに着いた。
「モンスター、出てこなかったな」
「そうだねぇ、ものすごくツイてるよ」
小柄な少女は、おっとりとした緩やかな声調で話している。
ところで、モンスターだって?
・・・ああそうか、この世界の人々にとってはそれが当たり前なんだろう。
街の中へと進んでいくと、真っ白な塔が見えてきた。
塔のてっぺんを見上げると、鐘がついていた。
「ここだな、下宿は」
「そうだねぇ、ここで合ってるよ」
俺は、周りを見渡した。
エルフにドワーフ、魔術師。
ファンタジーの王道の方々だ。
「おい、フィーネ。さっさと来い」
「あ、ごめん」
俺達は、カウンターで契約を済ませ部屋へ向かう。
俺たち男組はここ、お前らはそこな。
「この子と俺で相部屋なんだね」
「俺って・・・変わった言い方使うんだなお前」
ん?
俺は男だ。何がおかしいのか。
俺は、見下ろしてちっこい女の子を見た。
「・・ん、どうしましたか?」
「ああ、いや・・・君の名前ってなんだっけ・・・?」
「・・忘れちゃったんですか?・・・アーデルヘイト。略して、アデルです。
今度は忘れないでくださいよ」
「分かった」
ああ、やはり可愛いな。
近くで見るとなおさら愛らしく見える。
そして、部屋に入り俺はベッドにダイブした。
「もう・・・だらしないですよ。女の子なんですから行儀よく・・・」
・・・え?女の子?誰がだ?俺か?
部屋の入り口に置いてある、鏡へと走っていく。
自分の容姿を見て、俺は唖然とした。
そこに映っていたのは・・・銀髪で髪の長い美人だった。
これが・・・俺・・・なのかよ?
「最近、フィーネさんおかしいですよ」
はは・・。
俺は、気を失って倒れてしまった。
「ちょっと、フィーネさん!?フィーネさーん!?」
気が付けば、真っ暗な場所に居た。
ここは、どこだ・・・?
「やぁ」
どこからともなく声が聞こえてくる。
近付いていくと、雨が降り雷鳴の聞こえてくる窓に寄りかかった、
少女がいた。
「君は・・・?」
「名前はまだ言えません」
「ここは・・・?どこなんだ・・・?」
「まぁまぁ、そこに座ってください」
俺は、指示どおりに椅子に座る。
「落ち着いて聞いてくださいね。あなたは、別世界で一度死にました。
ですが、あなたにもう一度チャンスを授けました」
は?
全く話が追いつかない。
「異世界で、人生を再スタートさせ
冒険者として生きていく・・といったプランです」
おいおい、どういうことだ。
「で、俺は何で死んだんだよ?」
「・・・それを今回の冒険で探してください。
当たれば、元の世界へ戻して差し上げましょう。
・・・おや、今回はここまでですね。また会いましょう」
すると、意識がとんで俺はまたもや気を失った。
「うぅ・・・」
「・・!!フィーネさん、気が付きましたか!?」
アデルが顔を覗き込んでくる。
カーテンの隙間から、光がもれている。
もう朝かよ・・・。
「あぁ・・頭が痛い・・・」
起き上がると、光が顔に当たりより眩しくなる。
「アデル、カーテン開けてくれる・・・?」
「はい」
カーテンを開けると、青空が広がり鳥が飛んでいるのが見えた。
立ち上がり窓から見下ろす。
・・・街の子供たちだろうか。遊んでいる様子が見える。
昨夜見たエルフの女性や、魔術師がいた。
新世界の幕開けは・・・美しかった。
To be continued・・・