第4話
「ばぶぅ………」(うわ、マジで王だな………)
正直言って、俺の中での王のイメージはそこまで凄いものではなかった。
しかし、実物を目にしてわかる。
王の風格とはまさにこの事だ。
一体どれほどのものを背負えば、これほどの風格を出せるのだろうか。
「みんな、とりあえず膝をついて」
要がそういうと、全員膝をついた。
こいつの名前は結城 要。
うちの学校の生徒会長だ。
要はこんな風に、 いつも率先してクラスの連中を引っ張っている。
真面目ちゃんが嫌いな俺でもなかなか好感が持てるほどだ。
何というか、嫌味でない真面目なのだ。
「国王陛下、発言をお許し願えますか?」
「ほう? 異界の人間の中にも礼儀を知っているものがいるのか。よい、申せ」
「はっ。我々は貴方がたに召喚された、と考えてよろしいでしょうか?」
「無論だ。主らは我らが“人間軍”の貴重な戦力として仲間に引き入れるために喚び寄せた。突然のことで申し訳無くは思っている。多少の無礼なら大目に見させよう。それと、この国で相応の地位を約束する」
「有難うございます」
ひとまず、安全が確保されたおかげで、全員安堵の声を上げた。
そう、それだけなら良かったのだ。
「しかし………」
「?」
「そこな赤子はダメだ許可できない」
「「「!?」」」
王の一言でクラスメイトが凍りついた。
「なぜでしょうか」
「その者は失敗者だ。我が国では縁起が悪いとされておる。故に、この場で処刑する事にする」