霊廟の夕暮れ
死んだようなものです
眸が覚めたとして
あなたがいないのなら
暗い霊廟の底で
一人きり 置き去りになって
階段の踊り場で見る 傾いた太陽
去ってしまったのはあなただけでなく
この夕闇のように終わったのです
友情と恋が
待ちくたびれたでしょう
眸が覚めたとして
それはあまりに長い時
霜枯れの森深く
誰にも忘れられて 一人きり
柱像にもたれて聴く 北風の唸り
去って行ったのはあなただけでなく
この星霜のように終わったのです
友情と恋が
あなたの小さな雪兎を残して
やがて私も紫暁月の雨のように去って行く
どこへ行く道かも知れず
月夜の森へと消えて行く
アンブロシアーナ作『波間歌集より「霊廟の夕暮れ」』
おそらくこの歌をアンブロシアーナが歌うのは8巻か9巻あたりになります。