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倒してイイノ?1話 敵の声
敵の声
もう帰れない、私はそう思う。あの楽しかった日常に、あの楽しかった場所にそしてあの子の元に。
「そりゃそうさ、お前は復讐を望んで俺の力を受け入れた。その結果さ。ひゃひゃひゃひゃ!」
確かにこいつの言う通り、私は復讐したいと思った。両親を殺したアイツに……。
「あんたもあいつらの仲間だったのですわね……」
夢の中のような世界の中で彼に言う。
「いや、あいつらは、俺の僕さ、けど本当の敵は……わかってるんだろう?」
「ええ、行きますわよ」
私はそう言うと勢いよく海面に向かって泳ぎ出した。親の仇を殺すために




