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魔法少女でイイノ?  作者: 月読雨月
一章 魔法少女でイイノ?
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魔法少女でイイノ?6話 辛い勝利

辛い勝利


次の日、私は皆と遊んだ後、私達はまた、病院の上に来ていた。昨日の子とは戦いたくないけど、もしかしてあの子も願いをかなえたくてセクーンを狙っているのなら、いつか戦わなくてはらない、そう考えながらハーピィを待った。そして上空からハーピィの声、

「来たよ!」

私はすごい音を発しているハーピィを見つけて言った、しかしルシは嫌な顔をしながら、

「あれは仲間を呼んでるわね」

「でも、仲間呼んでいるなら一網打尽にできるんじゃないかな?」

「そうじゃないわよ、多分だけど昨日の子はハーピィの鳴き声を知ってるわよ。そして今此方に向かって来ていると思うわよ」

「……本当? じゃ、じゃあ早くやっつけないと! 行って、風の鳥たち!」

水色のサモンエッグを上に投げ、それらは鳥の形に変化しハーピィに襲いかかった。ハーピィは逃げるが、鳥達はすぐ追いつき、斬り裂いた。そこにセクーンが現れて私は手を伸ばす。掴んだと思ったが、感触が無い。手を開いてみるが、手の中にはセクーンが無い。左右をキョロキョロと見渡し、セクーンを探す、しかし見つからない、すると後ろから声が聞こえた。

「あなたの探し物はこちらですよね」

後ろを見るとセクーンを持った白い女の子が立っていた。

「返して!」

セクーンを取ろうと、セクーンを持った左手に飛び付く、しかしそれは回避され、こける。そして彼女はこちらに槍を向けながら

「これはあなたの物ではないです。これはて……」

そこまで言うとまた彼女は飛びのき、そこの空間は歪んだ。その隙に私は立ちあがり、間合いを取る。

「大丈夫? 珠樹」

ルシはいつの間にか隣におり、空間が歪んだ方に手をかざしていた。

「もしかして、あれはルシがやったの?」

「その通りよ、とりあえずあの子を倒して、セクーンを取り返さないといけないわね」

私は立ち上がり、白い女の子の方を向く、

「返してください、それはお母さんとお父さんを蘇らせるのに必要なんです」

すると白い女の子は不思議そうな顔をして、

「知らないのですか? 魔法では人を蘇らせることはできませんよ、もしかしてあなたはルシフェルに騙されているのではないのでしょうか?」

「そんなことないもん! ルシフェルって誰? そんなことより返してよ!」

私は黒いサモンエッグを手の中で念じるように覆い隠すと少し、周りが明るくなって、また暗くなる。そして手の中には刀の柄があり、下の方に向かって刃が出ていた。

「成程、戦いますか。では死を覚悟して下さい!」

白い女の子はそう言いながら、槍を突き出し地面を蹴る。そしてその凄い勢いでこちらに突っ込んでくる。私は勢いよく地面を蹴り、無重力にして空に飛んだ。その後すぐ空中の止まれるように重力制御、そしてサモンエッグから鳥を出そうとウエストポーチから水色のサモンエッグを出してビルの上を見つめる。しかしそこには白い女の子の姿はなく、あたりを探そうととりあえず前を向いてみるとそこに彼女はいた。

「空の動きはいいですが、まだ戦いには慣れてないようですね」

白い女の子は槍を振り下ろす、私は刀を上に構えそれをそれを何とか防ぐ、しかし攻撃は強く、私はたまらず後ろに重力をかけて出来るだけ速く後ろに飛んだ。そして水色のサモンエッグを投げて鳥を出して白い子に当てようとした。しかし、白い子の持っていた槍は一瞬にして銃に変わり撃ち落とされた。

「そんな……けど!」

もう一度水色のサモンエッグを空に投げ鳥に変換させる、またもやその鳥は白い女の子に向かうと思ったが、鳥に変わった瞬間に撃ち落とされた。それらはその場でサモンエッグに戻っていた。そしてサモンエッグはウエストポーチにひとりでに入る。その間にも戦いは続いており、白い女の子はこちらに銃を向け、私を狙う、けど私も空に飛んで、狙いを定めさせないよう、ジグザグに飛ぶ。しかし、上手く予測されて、当たる。

「痛い!」

ビルの屋上に私は落とされ、何とか立ち上がる。体に傷はないが、とても痛かった。

いつの間にか白い女の子は槍を持っており、私の目の前で、こちらを睨んでいる。

「もう諦めたらどうですか?」

「まだ諦めないよ!」

私は白い女の子に刀を振り上げる。すると、目の錯覚か、槍が消えたように見えた。槍でガードしようとしていた彼女はそのまま袈裟斬りが当たり、切口から血を吹いて倒れ、手に持っていたであろう、セクーンを落とした。

「へ? う、うそ、な、何で! そんな……」

私は首を横に振りながら後退する。そこにメイド服の高校生ぐらいの女の人が現れ、

「大丈夫ですか! 今治療します!」

私は彼女達に謝ろうと思ったのだが、その前に消えてしまった。私はセクーンを拾い家に帰る事にした。途中で何回か吐いてしまって、その度ルシが消してくれていた。帰り着いても手の震えが止まらない、すごく怖くて、恐ろしくてどうしていいのか分からなかった。あの人は生きているのだろうか、後遺症はないだろうか、でも、私の刀を受ける前に槍を消したのはあちらだ。私の所為じゃない、私の所為じゃない! 私の所為じゃない? けど私の刃が彼女を傷つけた、それは事実。それだけがズッシリと圧し掛かってくる、そんなことを考えていると朝が来ていた。

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