友達でイイノ!18話 珠樹vs皐文 その弐
珠樹vs皐文 その弐
「珠樹、素早くなってるね、面白いよ!」
皐文ちゃんはそう言うが、私は限界だった。けどここで負けたくない、その気持ちが私を加速させた。火花が散る。ナイフと忍び刀のぶつかり合い、鎬を削る。力はこちらのほうが強いが、動きが速くて、攻撃が大量に飛んでくる。それを防ぐのに素早くなるように魔力を使うと、今度は力の方が負ける。
「ど、どう、すれ、ば!」
武器を変えようにも、皐文ちゃんのある程度の範囲では、召喚すらできない。大気中の魔力が0になっているかららしいが、魔力を感じられない私にはわからない。なら、
「おもっきり距離をとるよ!」
そう言うと私は上空に逃げることにした。重力を減らし、ジャンプして、距離を取ろうと考えた。しかし、
「どこに行くんだい?」
その声は上から聞こえ、上には皐文ちゃんがジャンプしており、苦無を投げてきた。私もナイフを投げ、対抗、ではなく、その上にいた、黄色フードを狙って投擲したものだった。苦無は私には当たらず、
「ぎゃあああああ」
と、後ろと前から同じ声が聞こえ、後ろを振り返ると、そこにも、黄色フードが居た。
「ど、どういうこと? 黄色フードが二人?」
「あ、こいつらは、分身できるんだよ。で、どうする? まだ戦うかい?」
「いや、いいよ。こいつら倒さなきゃ。魔力吸収消して、そうしないと私本気出せないよ」
「そうだね。魔力吸収封印」
その声とともに、永魔のリングは、防御服を生成した。そして私は空に飛び上り、風が強い空域まで飛び、風のサモンエッグをばらまいた、そこから風鳥が現れ、それとともに私も急降下、今度は海に入り、水のサモンエッグをばら撒く、水魚が現れ、属性獣達が次々に敵にぶつかっていき、倒していく。そして、敵はいなくなった。




