友達でイイノ!1話 いきなりの戦闘
いきなりの戦闘
「そこで何しているんですか? 島津さん」
私は友達四人を探す途中で、船の上で会った怖い顔の人に声をかけた。
「おお! 確かアンタは珠樹嬢ちゃんだったかな? そうかあの船はあんたたちが止めたのか」
「そうだよ。何人かは姿が見えないらしいけど、後から捕まっていた人たちは無事だったそうですよ」
そう言うと島津さんは頷きながら、
「そうかい、それはよかった。それで何をしているかだったか? 先程助けたお嬢を連れて帰るところだ、珠樹嬢ちゃんこそ何をしてるんだ?」
「へ~、そう言えばお嬢って小部屋ちゃんの事だったんですか。それはそうと、友達が行方不明なんです。この事件が解決したら、話そうって言ってた子もいなくなってますし……」
「……そうかなら少し手伝ってやろうか? 電話番号交換して、そこらで見かけたら電話できるはずだからな」
「うん、お願いします。あっ、その子たちの写真も送りますね」
「おう、ってあれ? この子らどこかで……」
そう島津さんが言いかけたとき、轟音と共に、誰かが何かを飛ばしてきた様だった。それは私の右足の右らへんに撃ち込まれ、
「あ、あぶないよ! 誰!?」
後ろを振り向くと、そこには黄色のフードをスッポリかぶった、人が飛んでいた。
「何するの!? 当たったらどうするの!?」
「悪い、嬢ちゃん巻き込むつもりわなかったんだがな、あいつら、俺を狙っているんだ。だから一緒に逃げるぞ!」
その話を聞いて、私達は近くにあった島津さんのワゴン車に乗り込み、島津さんも車を発車させた。
「な、なんで追いかけられているんですか!?」
「分からん! ただお嬢を保護してから追いかけてくるんだ。俺はあいつらがお嬢をさらったんではないかと思っとる!」
「と、とりあえず三人に連絡しないと!」
私はスマホを取り出し、詩織ちゃんに電話をかける。
「詩織ちゃん! ごめんだけど急いで私のことろに来て! 島津さんが狙われているんだ」
『分かりました、ですがどこにいるのか、伝えてもらいませんと……』
「え~っと詩織ちゃんの隠れ家近くにいたんだけど、黒いワゴン車に乗って、島津さんと一緒に、黄色フードの人から逃げているんだ」
『分かりました、エスキと、サターンに声をかけて向かいます』
「ありがとう。よろしくね」
そう言うと電話を切って、ワゴン車の後ろを見た。そこにはさっき乗せられた、小部屋ちゃんのほかになぜかそれを突いている、エルピスさんが居た。
「な、なんで? エルピスさんが?」
「なんでも、我はさっきからここで寝ていたんだ、まあ正しくはこの車の上でな。だが、車が発車するから急いで中に入ったんだけど、ダメだったか?」
「いや……う~んわかんないけど、今は助かったよ。黄色フードの人が追いかけてくるから何とか撤退させたいんだけど」
「我はここを守っておくから、汝は戦ってこい」
「分かったよ」
そう言いながら、エルピスさんが後ろのドアを開けると、そこからエスキが飛び込んできた。
「だ、大丈夫?」
と私が声をかけると、エスキは、
「成水の命令であたしがここを守る。だからサターン、珠樹は空に出てくれ、何とか今は成水が持ちこたえているが、3対1は流石に……」
「分かったよ。行こう! エルピスさん」
「しょうがないな……、我が出よう。確かに我ではこの狭いところでの細かい戦いは苦手だからな」
そう言うと私たちは空に向かった。




