姉妹でイイノ?23話 停泊
停泊
艦橋から出ると、船は町の港に停泊していた。
「お、珠樹、あれ? 詩織は? 汝の召喚獣達はどうした?」
エルピスさんが声をかけてきた。
「詩織ちゃんが大変なんだよ! さっきまで、艦橋の空間が歪んでいたんだけど、私だけ追い出されて、消えちゃったの!」
「? 違う世界にでも飛ばされたのか?」
「……わからない。けど、さっきまでそこがぐにゃって……」
「ああ、大体わかった。だったら……」
といきなり考え込んでしまった。そしてまた口を開いた。
「どうやら違う者がやってくれているみたいだ。ならばこちらもやることをやろう。と言っても、被害者は皆脱出させたしな……だからあの二人は?」
「へ? お姉ちゃん達かな……」
「……成程、お姉ちゃんか、まああの二人はどうした?」
ここに来て感情があふれ出した。泣いた。とても泣いた。
数分後
「泣き止んだか。あの双子座に何があった?」
エルピスさんが聞いてくる。
「白お姉ちゃんは私の代わりに刺されて、燃え尽きて、黄金お姉ちゃんは力尽きて、消えちゃったの」
「成程、元の世界に戻ったか。その様子だと死んだと思ってたんだろうが、大丈夫だ、死んでないよ。元居た世界に戻っただけだ」
元居た世界? どういう事? そう聞こうと口を開いたらエルピスさんも口を開き、
「まあ生きているってことだ、誰かに召喚してもらえれば戻ってくるだろう。だから泣かないで、汝を待っている者のところに行ってやれ」
「二人とも生きているの? 本当!?」
「本当だとも」
「分かった。友達を探しに行ってくるよ!」
そうして私は町に戻ったしかし、小麦ちゃん、皐文ちゃん、代美ちゃん、神奈ちゃんは見つけられなかった。なのに詩織ちゃんとエスキさんはいた。




