姉妹でイイノ?12話 詩織の帰還
詩織の帰還
美智の救援信号を受け取り、友の住む町に戻ってきたが、そこはゴーストタウンと化していた。いつもの隠れ家に行くと、
「おかえりなさいませ。詩織様」
とボロボロになった美智が迎えてくれた。
「どうしましたか? 美智、この町の者達は何処に行ったのですか?」
すると美智は泣き出してしまい、
「し、詩織様! 私達、負けて、しまいました!」
「お、落ち着いてください」
何とか美智を落ち着かせて、
「詩織様、私たちは敗北しました。そして町の者は、私とサターンを除いて全員連れていかれました詳しくはこちらにまとめておきました。一人の住民に発信機を付けておいたので、こちらも参考に」
彼女の説明を聞いて、タブレット端末を見ていると、
「いや、自分のことを忘れないでほしいのだが」
後ろからの声に私は驚かされた。そこには男が立っていた。陸軍の服装にも見えるものを着ていたが、とても魔法を使えるとも思えない人だった。
「自分は飯野珠樹の兄です。どうやら妹が世話になったようで」
といきよいよく頭を下げてくる男性、
「ご丁寧にありがとうございます。私は成水詩織と申します。ではあなたはどうやって捕まらなかったのですか? あの者たちは、魔法防御が付いてます。つまりは、魔法を使って、戦ったのですか?」
彼からは何も魔力を感じないが、
「え? 君の能力ではわからないのか? ちなみに自分は隠れるのがうまくてな……」
「……やっぱりいいです。では私たち3人でどうにかするしかないのですね」
彼に魔力がないことを知ると私たちは作戦を練り始めた。少しこの男に疑問を持ちながら……。




