姉妹でイイノ?10話 説得
説得
エスキは花を見ていた。道に生えた小っちゃい、それでいて元気に、力強く生えている、季節外れの花を、
「綺麗だよね。人間みたいに汚くないよ」
「確かにきれいだよね」
「「……」」
二人でゆっくり花を見つめていたのだけど、突然エスキは、立ち上がり、
「そろそろ戦う? あたしはいつでもいいわよ」
「え? やっぱり気づいてた?」
そちらに顔を向けて、私も立ち上がる。
「当たり前よ。で、どうするの?」
「今日は話に来ただけだから……、話っていうのはね、友達になれないかなって思って」
「無理よ、あたしは人間が嫌い、汚いもの。嘘はつくし、騙しもする。そんな生き物、好きになれない。人の心なんてみんな偽物よ」
「それでも、私は仲良くなりたいな。それに私の今の気持ちは本物だよ」
「あたしは悪魔たちを使って人間狩りはする、それでもいいの?」
「うーん、それは困るけど、でも理由を聞かせてほしいな」
「お姉ちゃんを生き返らせるためよ。義母はお姉ちゃんが生き返るには、あたしが魔力をためて、その魔力を使い、ある装置を起動させて、肉体を作り、降霊術を使って、その肉体に霊体を入れれば生き返るのよ。そして、お姉ちゃんと一緒に、お姉ちゃんを殺した世界を破壊するの」
最後の一言で、彼女たちに何があったのか気になった。でも、
「ねえ、人を生き返らせる方法がないってこと知っている? 騙されてない?」
「できるわよ。あたしが百人の人間の魔力を吸収すればいいんだから。だからもう邪魔しないでね」
そういうと彼女は空に飛んだ。




