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魔法少女でイイノ?  作者: 月読雨月
九章 魔法少女でイイノ!!
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魔法少女でイイノ!! 15話 あたしの戦い

あたしの戦い


ビルの間から箱舟が浮いていく、あたしはビルの屋上から見ていた。浮遊魔法で浮いているそれは、単なる何も通さない箱というのが正しいかもしれない、何度か矢を当ててみたが一つも通らなかった。あたしの奇襲は見透かされており、何人か狙撃した後、あたしが接近したところで急に浮上して、移動しだしたのだ。おそらく、同時的に攻撃している、珠樹ちゃん達の存在に気づき、将軍と守将の元に向かうのだろう。だがそこにあたしが来たから、防御しながら参戦に行けるようにあの乗り物で向かっている。だけど、

「関係ないよ~」

ショートカットを近くにある階段の壁に貼る。張る。あたしは元々魔力は低い方だ。なのにあれだけの弓矢を呼び起こし、転移魔法を使えるのには訳がある。神力が高いからだ。なぜ神力が高いと魔法が使えるのかと言うと、神力を使って魔力と神力を神力側に均等になるように変換していた。魔力が一万で神力が一。それで力が均等になる。しかしあたしはそれを今回は止めている。今はその少ない魔力で矢を作成し、そこに神力を矢に込める。相手は撃ってこない。多分あたしがその武器を出した瞬間、そこに攻撃をして、内部を破壊しようとしているのが解っているのだろう。

「いっくよ~! 自然回帰の矢!」

矢が跳んでいく。その通った所から真下の地面が緑に覆われていく。かなりの威力の矢が箱舟に刺さる、ふつうは刺さるはずのない矢が。あの森は魔力と生命力を吸って大きくなる。つまり、あの箱舟は推進力を失い、そして、何も通さなかった箱は見る影もなく、ボロボロになりしかし、空中分解は起こさないように、木や草が生え、閉じ込めたまま落ちた。あたしは落ちた地点に向かい、動く影がないことと、生命反応が無い事を確認した。そして、ショートカットを張っておいた場所に戻ると、

「次は君だ、伊佐代美。此処で消えてもらう」

あたしは今の言葉に怒りを感じたが、冷静を装って、珠樹ちゃんのお兄ちゃんに聞く。

「お兄さんは一人消したってことかな~」

今にも殴り掛かりたい。けど、この距離じゃ届かない、だから、話を聞くふりをして、接近する。

「ああ、皐文ちゃんがあっちに行ったよ。あの子の覚悟はあっぱれなものだ。刺し違えてでも自分を殺そうとしたからな」

あたしはもう殴ることを諦めた。此処で殺す! そして矢を番えた。しかし後ろから、珠樹ちゃんのお姉ちゃん二人に邪魔される。羽交い絞めにされた。しかしあたしはそれぐらいで止まらない。もう一人のお姉さんが矢を奪おうとしているが、

「何これ! 奪えないー!」

そこにシン・ライルから戻っていた、ライル姉妹も後ろから現れて、矢を奪おうとか、腕を下させようとしてくる。でも、

「無理無理無理!」

「どうしろってのよ! これ」

しかし放つには少し振り払わなくてはないと。そう考えていると、足の感覚がなくなった。まるで転移魔法を発動した時のように。あたしは消えていく体に焦りながら、矢を放つ。しかしそれは意外な人物に止められた。

「……だから詩織を先行させるのはどうかと言ったんだ」

矢が歯車5枚の間に消えていった。神奈ちゃんの歯車だ。

「やっぱり裏切っていたんだね~。神奈ちゃん!」

「……ああ、私は計算で動いているからな」

また矢を番えようとする。しかしもう矢立は消えていた。あたしを抑えようとしていた皆も消えかかっている。

「あたしは、あなた達を許さない! だから呪いをあげるよ! 死んで後悔しても知らないからね!」

あ、視界も消えていく。あたし消えちゃうのか……。

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