魔法少女でイイノ!! 7話 大胆な奇襲
大胆な奇襲
私は見てきたことをそのまま口に出すために一呼吸置く。その隙に、
「……どうした? 捕まったのか?」
「いや、そういう訳じゃなくて」
「じゃあ、攻撃されたとか?」
「ううん。そうじゃないんだけど」
「……ならば……」
「喋らせてよ。えっとね、魔力を持った人たちが集まっている所を見つけて、そこはドーム状の建物なのだけど、そこに最大火力の矢を打ち込もうとしてるんだ」
皆が唖然としてしまった。私はそこに言葉を続け、
「と、止めたほうが良いかな?」
その言葉と共に上からすごい衝撃が発生する。
「放ったね」
「……放ったな」
「おい、大丈夫か?」
「いや、ダメだろ! 安易な攻撃は跳ね返されちまうぞ」
しかし、さっき見たドームの方から大爆発が起きる。長宗我部さん以外がビルの屋上に上がり、
「確かドームはあっち」
と指をさすと、ドームが炎上しているのが分かった。
「やったよ~。これで、ヴィーナスさん助けやすいかな~」
代美ちゃんがニコニコしながら、靄に向かって言う、多分幽霊だと思う。そして、半壊したドームの方を見ながら神奈ちゃんが、
「……魔力による反射壁が割れているのが分かるな」
「うん~。だってこの人が魔力反射壁があるって~」
と靄を指さして……あ、靄に顔があるからあれやっぱり幽霊だ。
「そこに何かいるのか? まあいい。だが、あの魔力による反射壁をどうやって突破したんだ?」
「破魔矢だよ~。この幽霊さんに生成を手伝ってもらったんだ~」
私は気になることを代美ちゃんに聞いた。
「代美ちゃん、その幽霊さんとさっきから話してたけど、もしかしてあれ半壊させたのって、幽霊さんに言われて?」
すると、代美ちゃんはにっこりとして頷き、
「そうだよ~。あたしに~ヴィーナス様を助けて~って話しかけてきたの~」
「いや、そんな事より早く下りないと、見つかるよ!」
「……皐文の言う通りだ、今、サーチライトの起動を確認した」
「とりあえず長宗我部さんの所に戻ろうよ」
それに皆頷き、ビルの間に下りて行った。下で待っていた、長宗我部さんに、
「代美ちゃんがあの建物を攻撃したんだけど、何やら幽霊に言われたんだって、代美ちゃんは巫女だから幽霊の話ができるんだ」
「ど、どんな幽霊だった?」
長宗我部さんが代美ちゃんの肩をつかむ。
「え? えっと……髪の毛が足まであった目のきつい女性だったよ~」
「や、やっぱ殺されていたか……、明智のやつ……くそ!」
と長宗我部さん壁を殴る。顔から少し水が地面に落ちた。涙を流しているのだろう。多分大事な仲間だったんだろうな。そんなことを考えていると、すぐ立ち直り、
「行こうぜ、ヴィーナス様の所に」
その長宗我部さんの言葉にしたがい、先に走り出していた、長宗我部さんの後ろを5人は駆け出した。




