魔法少女でイイノ!! 3話 双子の復活の訳
双子の復活の訳
『そう言えばあなた、どうして生きているのかしら』
そうシンが、宙を舞う土の球体を追いかけながら、同じく土の球体を追いかけている黄金、白に訊ねる。
「再召喚されたから」
「黄金達は召喚主の魔力の混ぜられた水銀を二つの金のサモンエッグに捧げることによって召喚されるんだよ。その方法で今回はあのバカ兄に召喚されたわけ。けど皮肉なものだよ」
『そうね、珠樹に元は使役されていたのでしょう?』
「そうよ。あのバカ叔父から助けたり、再召喚されてからは、あの歌を歌うやつらから守ったりもしたわ」
「でも今回の召喚者はあのバカ兄だからなー」
二人ともすごく不満そうな顔をしている。そして、土団子は珠樹のお兄さんが見えないように書いている、陣の上に近づいてきた。
『それにしても、土団子割れないわね。地面に着く前に出てくると思ったんだけど……』
たしかにそうだ。彼女らなら、陣を書いているのを察して、空中で割り出て、攻撃してくるだろうと予想していたのだ。そこに、美智が、
「詩織様、街中にあの子達が現れたそうです」
私はそれを聞いて青ざめる。
「飯野さん!」
落下予想地点に、陣を書いていた珠樹のお兄さんに声をかけると、
「ああ、解っている。だがどうしたものか」
そう言いつつ陣を書くのを止めて、此方を向く。
「そうですね、私にもどうすればいいかわかりません。ですが行かないと、消去の魔法で消せませんよ?」
それを聞いた、珠樹のお兄さんは浮遊魔法を使い、
「そうだな、行くか。皆ついて来てくれ」
皆が頷く。そして私達は街中に向かった。




