表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女でイイノ?  作者: 月読雨月
九章 魔法少女でイイノ!!
187/207

魔法少女でイイノ!! 2話 再召喚

再召喚


「間一髪だったな。さて、神奈、代美は再召喚を始めているか?」

とサターンが閉まる寸前のワームホールから飛んできたナイフを、砂の壁で防御しながら私に聞く。周りに人がいないようだ。

確かに二人は何やらウインドウを開いて、何か呪文を唱えている。

「うん、何やら唱えているから大丈夫だと思うよ」

「それもそうだな。そうだ、汝に渡しておくものがある。サモンエッグと、召喚用のスタンガンなどの道具だ」

サモンエッグ各11個(金は9個、時は1個)と、前まで変身した時に持っていた道具たちと似たような物をもらい、

「ありがとう! 私こっちの世界じゃコレがないと戦えないんだ」

「ほう、ならば向こうの世界では、魔術を使えたんだな」

「うん」

「そうなると、やはりその体内魔法しか使えないのはデメリット特性か」

「三人とも~終わったよ~」

そう言う二人の後ろには超弩級戦艦が現れていた。

 「……さあ、乗り込め。行く当てもないが、逃げよう」

 「いや行く当てならある。沈んでいた大陸だ。あやつのことだから何か隠し玉でも用意しているだろう」

皆が船に乗り込もうとして動き出したが、しかし、神奈ちゃんが動かず少しの沈黙、何かを考えているのかな?

「神奈ちゃん~大丈夫~?」

「……ああ、理解した。沈んでいた大陸に向かう」

皆が乗り込み、すぐに神奈ちゃんの号令が掛かる。それと共に船は動き出した。

「行かせませんよ、行かせたら何をするか分かりませんからね」

『その通りね。今のうちに消去してしまいましょう』

「ああ、行くぞ」

そんな言葉が聞こえてきた次の瞬間、船は真っ二つに割れた。と言うより多分、

「くっ、詩織の一線両断だね。あの技いつの間に手に入れたんだろう? 多分、珠樹と出会ってからだよね」

斬られたのだ、槍の一突きで。急いでジャンプして陸地に跳ぶ、しかしサターンさんが、

「待て! あいつは消去の魔術を使う。それには普通、魔法陣が必要なんだが、あの男、陣無しで発動させているようだ。気を付けろ、接近はするな」

その言葉を聞いた代美ちゃんが、皐文ちゃんを捕まえ、

「じゃあ~、地面に下りなければいいんだよ~。お兄さんは探知できない魔術を使うからね~」

私は空中で戦うことを決め、サターンさんも空中に留まり、

「成程そういう事か。成程、だからひで……いや、ヴィーナスと同じだな」

と何か納得している。私にはわからないが、お兄ちゃんと同じような力を持った人がいることは解った。ってこんなこと気にしている場合じゃない! 私はまだ昼なので、闇のサモンエッグは使えない。なら、船の破片の鉄をサモンエッグで吸収させ、ハンマーを召喚。塊が大きかったため、かなり大きなハンマーが召喚された。私はそれを振り上げ、

「潰すよ!」

思いっきり振り下ろす地面がへこみ、少し割れる。私達はそこに降り立った。

「成程考えたな。これなら自分も魔法陣が発動できないな」

お兄ちゃんに褒められて、少し照れてしまったが、今は戦闘中、すぐ気を取り直し、ハンマーに念じて小さくなってもらった。しかし重さは変わらない。詩織ちゃんも砕けた地面に立ち、

「さあ始めましょうか!」

その掛け声と共に、風が吹き始めた。その風はとても強く、そして、

「……渦巻いているな。詩織を中心にしてな。そう言えば、そんな能力を持っていたな」

石が舞う、砂が舞う。それらが私達に傷をつける。

「さ、皐文ちゃんの元に移動だよ~!」

その代美ちゃんの声と共に皐文ちゃんに近づく。すると風は少し弱く、しかし、

「これどうするんだ?我らも魔法を使えないんだが……」

皆が口を開かない。つまり……、

「考えなしか……」

「そんなこと言わないで~、皆ボロボロになる前に~、避難できたんだから~」

「まあ仕方なしか。ならば、我が話し終わった3秒後に、魔力吸収を解除しろ。では、いくぞ!」

一秒、詩織ちゃんがこちらに向かい、歩いてきている。二秒、サターンさんが地面を触り、何かを埋めた。三秒、風が吹き始める。とても痛い! しかしすぐに、土が私達を囲むようにドーム状に形成されていく。

「投げろゴーレム!」

 その言葉と共に。私達は浮遊感に襲われる。そのさなか、上方にワームホールが現れて、

「此処から逃げるぞ! 代美、転移の魔法陣の準備をしていてくれ。行先は、魔法と科学技術が最高まで育った世界だ。文様はこれ、我が合図したら書いてくれ」

「解ったよ~」

そのワームホールに皆放りこまれ、出たのは、街中だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ