この世界でイイノ18話 友との決戦
友との決戦
私は皐文ちゃんが後ろに回ったという報告を受けるまで、奇力の吸収するバックパックの性能を高め、魔力を回復させようとしていた。その為、私は艦橋の上で正座をしている。無い片足の方には足と同じぐらいの太さのパイプを置いて。
『珠樹、巨大ロボの後ろに着いたよ。今から切り離しを開始するよ。珠樹も準備をお願い!』
「わかったよ」
そう返事をすると、太郎太刀と呼ばれる、大太刀を召喚。私は空を飛び、首の部分に接近する。
とりあえず斬るかな? そう思い、斬って開けた。そして動力室の中に入り、足を付ける。電力の周りにある配線に刃を向ける、しかしそこで思いとどまった。メルトダウンなどの可能性を思い出したからだ。なら、
「イージスの盾!」
原子力発電機を石化させてしまおうと考えた。中に入っている物すべてを石化させてしまったらいいんじゃないかな? と思ったのだ。そうするには、
「魔力遮断器遮断率0%に変更! バックパックの性能最大稼働!」
イージスの盾に魔力を回す寸前にし、石化の速度を最大限に上がるように魔力を手に集める。その間に穴から迫ってきていた、ドローンは一瞬止まったり、仲間同士撃ちあったりしている。どうやら、機械の女王は魔法扱いになっているようだ。そしてすべてを解き放つ。
「魔力遮断率100%! 睨みを利かせろ! メデゥーサ!」
魔力と奇力を吸収するのを止め、魔力を盾に回す。盾に付けられていたメドゥーサの目が光った。
首に接近しようにもドローンが全力で邪魔する。しかし代美ちゃんと皐月からの援護射撃により少しずつなら近づける。そこに、
『もう少しで、全部石化できるよ! 珠樹はどう?』
私もドローンを斬りながら進む。そしてやっと、
「首元に来たよ。今から首を斬り、落とすよ」
太郎太刀を右に構える。そして、ほとんどの魔力を腕力に変換。ドローンらもこちらに飛んできているが、無視。すべて代美ちゃんと忠男さんが落としてくれるだろう。そして一線振るう。まさに一刀両断、首がぐらりと揺れて落ちた。
「落としたよ! 皐文ちゃんは?」
『こっちも終わったよ! じゃあ、珠樹は神奈を助けて』
「うん」
私は動かなくなった巨大ロボを後にして、下にある頭部分に向かう。そこに着くと、代美ちゃんが先に居り、
「何とか頭から引きだしたよ~」
と倒れているが、まだ周りに指令を出そうとしている神奈ちゃんを見た。だが少しすると、
「あ、ああ、珠、樹に、代美か、すまない。迷惑、かけた。だが、データ、を、弄、られ、まくった、為か、正しく、認識、できない、早く、こわ、さな、い……とerror」
「珠樹ちゃん、あれ、バックアップを使って~」
「あ、そうだね。神奈ちゃん。これで多分よくなるよ」
そう言うと、私は神奈ちゃんの頭の後ろにあるメモリー入れに、バックアップと書かれたメモリーをケースから出して、差し込む。




