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魔法少女でイイノ?  作者: 月読雨月
八章 この世界でイイノ
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この世界でイイノ16話 追跡

追跡


僕は博士達を追って、研究所の奥まで尾行してきた。そこで、

「はっはっは、ついに完成したぞ。あやつらが取り戻したい本物は、あのロボの中だ。そして私達に従順なコピーは、今から過去に送る。これで、世界は改善され、我らの地上に戻るはずだ。だから早くのその女を捕縛して、こちらに帰ってこい三好」

成程ね。やっぱり三好さんは裏切り、いや、スパイだったんだね。とりあえず車に乗っているとき、無理やり言って助手席に乗せてもらい、そのことを話した価値はあったようだ。それにしてもあそこにいるのが神奈のコピーなら、あそこにいた巨大なロボットの中に神奈がいるってことだよね?

「まったく、あそこで誤作動しなければ第二研究所まで行かずに済んだのだがな、まあここまでくれば後はどうとにでもなるだろう」

僕は飛び出した。このままじゃ危険だと思ったわけでもなく、イラっと来たわけでもない。ただただ好機だったから。タイムマシンだと思われる機械に神奈の偽物を入れようとしている。そのタイムマシンに短刀を投げ、火花が飛んだことを確認すると、天井に跳ぶ。ギリギリ見つからずに済んだ。しかし、

「二型に検索させろ。まだ近くにいるはずだ!」

これは見つかるだろうなー。サーモグラフィーとか、暗視機能とかで。

「発見しました。天井に張っている、コードの裏です。いかがいたしましょう?」

「決まっている。排除だ!」

「御意」

そう答えると、神奈のコピーはこちらに向かい、手榴弾を投げ、博士達を守るように盾を展開した。僕は近くに隠れられそうな場所を瞬時に気が付く。天井を叩くと、奥は空洞になってそうだと判明、蹴り壊し、その奥へと入った。

「おい! 爆発物を使うな! 機械が壊れたらどうする! それにあのコードかなり大切な物なんだぞ!」

「申し訳ございません。では、この体の装備の九割を封印します」

と僕が博士達の丁度上にやってくるとそんな声が聞こえた。それを聞きつつ、天井を切り落とし、敵の後ろにに下りる。

「な? 目の前に鉄の板が? おい、二型、上をスキャンしろ」

「御意」

僕は切った天井を奴らの前に投げ、注意を引いた後に飛び降りていたので、まだ気づかれていない。その隙に僕は博士達を斬り捨てた。これで操作するものはいなくなり、神奈のコピーを殺さなくて済む。そう考えていたが、

「マスター不在の為、自衛モードに入ります」

そう宣言すると、神奈のコピーは襲い掛かってきた。

「できれば戦いたくなかったけど、仕方ないかな……」

と、まず羽交い絞めにする。

「僕は君と戦いたくないんだけど……とっても無駄かな?」

「はい、無駄です。私は私のミッションを完遂するために邪魔なあなたを停止させ、過去に跳びます」

体が神奈のコピーから引っ張られているのが分かる。と言うか離れなくなった。

「これは……磁力かい?」

「そうです。私の中の電磁石モードをオンにしました。このまま私は過去に跳びます」

そのままタイムマシンの修理を髪の毛だけで開始した。

「そっか、神奈は髪の毛を手のように使うからそこまでコピーしたんだね」

このままではマズイとてもマズイ。神奈のコピーのバックみたいになっている僕は知恵を振り絞る。何か手はないかと思って視覚、嗅覚、聴覚を高めて探す。すると何かがこちらに近づいてきているのがわかった。そちらを見ると、三好が来た。

「ほう、皐文は動けないのか? 背中に引っ付いて、はっはっはっ傑作だ! そのまま壊してくれる」

万事休すかな……そう思ったが、もう一つぽてぽてという足音が聞こえてきた。多分代美だ。ならば、位置情報機能起動しろ。そう念じる。その間にも三好は近づいてくる。しかし勝ちを確信しているように歩いてきている為、また、神奈のコピーを傷つける訳にはいかないから、刃物を構えている。

「僕の位置から東に7メートル地点に攻撃して」

そう通話機能を開いた後、に小声で代美にお願いする。

『分かったよ~』

そう返事が返ってくる。

「合わせてくれ……3、2、1、今!」

しかし、弓の音は無く、

『ちょっと待って~』

と通信が入っただけだった。後5メートル。4メートルこのままじゃ……。

「行くよ~!」

その声に三好が振り向くそれと同時に、三好はこちらに吹き飛んできた。それはそのままゴールインするようにタイムマシンに押し込まれ、動かなくなった。僕はコピーが回避するために電磁石を解除したため、離れて、回避した。

「あれ~、神奈ちゃんだ~」

「あ、あれはコピーだよ、僕ごと過去に飛ぼうとしてたんだ」

「神奈ちゃんのコピーさん? 降参しないならスクラップにしちゃうよ~」

神奈のコピーは両手を挙げて、

「降参です」

とつぶやいた。そこで僕は捕縛、圧縮し、そして、三好の近くに落ちている、キューブを拾う。そこには黒田 彗美すいみと書いてあった。

「皐文ちゃん~、私達より少し上ぐらいの年の、男の人見なかった~?」

「見てないけど、どうして?」

「あたしの、矢筒が盗まれたの~。残ったのはこの一本の遠隔操作解除の矢とさっき射た矢だけだよ~」

「なら僕は外に向かうから、代美はその男を探して」

「うん~」

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