この世界でイイノ13話 名前という糸
名前という糸
見た目は海軍の将校。先ほど召喚した武功抜群と書かれた白鞘の太刀を持っている。
「君か、自分を呼んだのは。自分の名は飯野忠男。君を助けるために再生された者だ」
言葉が出ない、どうにか喋ろうにも首までコードが来ていてきつい。それを察したのか忠男さんはすべてのコードを切った。
「ケホッケホッ、あ、ありがとうございます。私は飯野珠樹です」
そう答えると、
「成程、名前の糸だけで自分を呼んだか、まあ、あり得ない話ではないか」
そう言いその後に大声を張り上げ、
「対空戦闘用意! 対空戦闘、目標、ドローン」
そう掛け声をかけると、ビルの下から、
「目標ドローン、全方位」
と聞こえてくる。すると忠男さんは私を抱え、さっきまで道路だったはずの場所にいる船に乗った。
「撃ち方ー始め!」
その掛け声と共に大量の弾丸が空に向かって放たれた。ドローンは次々に落ちていく。
「ふん! ドローンを落としたか。だが機械市民達は破壊できないだろう?」
その声の聞こえる方はさっきのホログラムがあったほうだった。どうやらまたホログラムを出しているらしい。けど、
「機械市民さんたちなら大丈夫だよ」
と言い放ち、私は船から降り、機械市民に近づく。すると、
「は、僕はなにを……」
「わたしゃなにをしてたんじゃ」
と近づくだけで皆が正気を取り戻していく。私が持っている、遠隔操作無効機械のおかげだ。意識を取り戻した機械市民の一人が、
「どこからかハッキングされているようだな。逆探知したろ……って二箇所から攻撃受けとる。一つはこの下か、そこから潰したろ」
それが聞こえてしまったため、私は下の階の窓を割り侵入、そこには、
「お、お前どうやってここがわかった!」
「秘密だよ。そんな事より拘束するよ!」
私は車にパスを繋ぎ、一つ拘束具と圧縮機を召喚。
「や、やめろ、やめてくれ!」
そういう男に手錠をかけて、圧縮した。




