この世界でイイノ10話 戦闘準備
戦闘準備
黒田さんが車のエンジンをかけ、その間に私と皐文ちゃん、三好さんが荷物を運びこむ。だけどこれらが何に使われるかは知らない。だから、
「これらは何に使うんですか?」
と三好さんに聞いてみた。すると、
「これらはあの博士達を拘束する用の道具です。後は僕たちの戦闘用の道具ですね」
確かにバズーカのようなものがあった。けど、拘束用の道具がどれかが解らない。けど消去法で、
「拘束用ってこれとかですか?」
と小さな箱を見せる。すると、三好さんは、
「そうですよ。ここのボタンを押すと開いて、開いた箱の間に手を通すと、拘束できます。そしてこれが圧縮機です」
そう言うと人の横幅ほどの輪を持って三好さんは言う。
「拘束具の付いている罪人を圧縮して運びやすくするようのものです」
「あれ、その方法私達の世界似てるような……」
「それはそうですよ。あなた達の世界はこの世界に似せて作られていますから。だからあなた達の世界もこうなる原因の地震や温暖化は起こります。まあそれ以上に此方にない災難に巻き込まれるはずですよ」
なんかめっちゃ気の滅入ることを聞いた気がする。そこに、
「珠樹ちゃ~ん武器召喚できる~?」
と代美ちゃんがぽてぽてと歩いてきた。
「うーん、できると思うよ」
と召喚のための構えをとってで聞く。
「じゃあ、じゃあ! う~ん、雷上動~、ううん~、与一の弓召喚して~!」
代美ちゃんがすごくテンションが上がっている。私は与一の弓を召喚しつつ、
「そう言えば、魂で形作った武器とはまた違うのかな?」
その質問に代美ちゃんは少し考えつつ、
「う~ん大して変わりはないかな~」
と答えた。召喚は成功。与一の弓を代美ちゃんに渡すと、三好さんは驚き、
「ど、どうやったんですか? いきなり弓が! その上、雷上動とか、与一の弓とか有名な弓の名前が! はー! やっぱり世界を救える人ってすごいですね!」
「「えへへ」」
と二人で照れながら、自分の頭をなでるような動きをしている。そこに、黒田さんが運転席から顔を出し、
「荷物積みは終わったのかい?」
「あ、はい終わりました」
「じゃあ行くよ乗りな!」
と言われ車に乗ると、皐文ちゃんが少し不貞腐れていた。
「僕も会話に入りたかったな」
「ごめん」
代美ちゃんはスカイツリーに向かい、私達は研究所へと向かいだした。




