この世界でイイノ6話 ハッキング
ハッキング
「お前らぁ! なぜ裏切る? お前ら機械市民がやりだした戦いだろうがよ!」
しかし、機械市民と呼ばれた機械達は悲痛な顔をしながら、
「ち、違うんだ! ボディが命令を受け付けないんだ! それどころか処理装置が、ハッキング……。き、機械の女王様万歳!」
武器を前に構え、撃ってくる。私達は物陰に隠れ、
「あの機械たち、やっちゃってい~い~?」
と代美ちゃんが不穏なことを言う。それに対し、松永さんは、
「待ってくれ。あいつら操られている。ハッキングを何とかしてやれば……」
しかし私たちにはハッキングを止めて、処理装置を元に戻す術は無い。だから、
「ジャンプして飛び越せないかな?」
私達の体は機械仕掛けらしいならば行けるかなと思う。しかし、
「馬鹿か! 自動照準で撃たれて終わるじゃろが!」
と松永さんにどやされた。けど、
「この壁、今銃弾跳ね返してるよね? だからこれを盾にしたら行けるかも! って思うんだけど」
少し代美ちゃんと松永さんが考えて、そして、
「珠樹ちゃんナイスだよ~」
「確かにそれなら行けるかもな、二人ともあそこの高いビルの裏側に飛び込め。俺はここから離れて、研究所を調べ、あいつらを戻す方法を探す」
松永さんを見送った後、銃弾の雨から前にある壁を持ちあげ、それを盾にしながら移動して、私達は一気に跳躍、敵の攻撃を盾で防ぎながら、上を何となく見ると、
「へ? 天井?」
ガラスの天井があった。そしてその外には、
「魚? 魚がいるよ~」
魚が大量にいた。ってこのままだと天井にぶつかる。そう思ったが、天井に触れる前に落下し始め、盾を後ろに構えながらビルの裏側に下りた。




